二話 希望
7 : 00
6回目
「きっっつ」
手をみる。ある、手が、ある。
「あれは、、いったい、どういうことなんだ?腕がなくなるって」
確かに、確かに"なくなっていた"。
痛みを思い出す。気持ちが悪い、吐き気がする。
「う、うぇぇ"」
トイレに駆け込む。吐く。吐く。吐く。空っぽな胃からひり出すように。
「うぅ、うっぷ、ふぅふぅ、ふぅぅぅ、はーー」
深呼吸
少し、少しだけど楽になれた。
冷静に、冷静になるんだ。
「外に出ると死ぬのか?俺は」
一瞬だった、一瞬にして手が"灰"になった。
燃えたことに気づかない速さで灰になるってどれだけの温度ってなんだいったい。
匂いが鼻にこびりついてる気がする。ループして嗅いだはずなんてないのに。
「つまり俺は隔離されているってことかこの家から」
出られない。死ぬ。出たらきっと死んでしまう
さて、どうしようか。部屋に戻る。冷静に冷静に。
ふと、机を見る。散らかっている勉強机。定規、水、ゲーム機、貯金箱、ノート。
「ノート?」
俺は、勉強なんて家でするタイプじゃない。まして今の俺は
「こんなのおいたっけ?」
ふと、開く。
説明
やぁ、おはよう永井潤くん、さっそくだけど君は今、囚われています。囚われたからといって文句は言わないでくれよ?これは君のせいでもあるんだぜ⭐︎。まぁ、このノートを見たということは死んだか怪我したかで色々よくわかんなくなって吐いて冷静になったんだと思うがね。囚われたからといって空間的隔離か、時間的隔離かこちらはまぁわからないんだけど。君には、金をかけてこちらから連絡しているんだ御礼がほしいくらいのサービスだよ?感謝してよね⭐︎。
「なんだろう、とてもイライラする」
イライラしたところで君のために少しのヒントを与えよう。目を見開いて読めよ?
内心を見透かすんじゃねぇ
1.こちら(外側から)からはこれ以上の干渉ができない。
2.君から外側への脱出は危険である。
3.その家は、異常で特異で普通ではない。
4.時間的、空間的隔離は一概に密室とは言えない。
5.私は美女だ。
「ん?」
最後のいるか?
最後に、経験者からの助言を一つ言う。
諦めるな、絶対に
共倒 雪衣より
永井 潤
共倒 雪衣
まぁ読みにくくはないと思うけど一応ね。