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激情で溢れた世界で  作者: 取れたての焼き魚
3/4

1-3 スキルの目覚め

2025/6/20 一部にルビを振りました。

「あ゛ぁ? んだよガキか...............っておい、中々俺好みの良い表情(カオ)するじゃねぇか。んーそうだな、取り敢えず腕でも切り落としてやるか」

「っ!?」


そう言うと魔族の手に剣の形を模った炎が握られた。


「さっさと死なれると面白くないからなァ、切るついでに焼いて止血してやるよ。はーやっさしいなぁ俺ァ。おッ、ラァ!」


魔族は雷の様な速さで炎剣を振りかぶった。とても避けれない、そう思った瞬間に腕に炎剣が触れていた。


「っぐぅああ!?」

「だハァ、そうだよそれだよ………あ? んでテメェまだ腕付いてんだ、この俺が切ったんだぞ?」

「ひっ?」


予想外の言葉に驚いた。激痛を堪えながら切られた腕を見た。焼き切られて見るに堪えなくなっているが腕がまだ付いていた。魔族の筋力であれば自分の腕など容易く断ち切れるだろう。


「っは〜、しゃあねぇ。もっかい切るか」


魔族はもう一度炎剣を作り出した。しかも、先程よりも大きい。一応また切り落とせない可能性を考慮しているのだろう。絶望が増大した。切られた腕が酷く痛む。死にたくない。


【感情が一定以上になりました。《激情・狂い咲き》を発動します。絶望、苦痛を検知。強い感情、生命活動をこれ以上脅かさない全てのエネルギーを使用し、《絶苦・狂獣招来》を発動します。】


脳内に声が響き、そこで意識が途絶えた。


─────────────


「チッ、一体どうなってやがる!? 〈魔炎球〉!!!」


もう一度腕を切り落とそうとした刹那、思わず身を引く程の魔力が溢れた。咄嗟に魔術を放ったが掻き消されてしまった。


「クソッ、魔力切れで寝てんのかあのガキ! さっさと殺さねぇとヤベェぞアレ!!!!!! なっ!?」


魔力が一層強く溢れ出し、収束していく。

そして、途轍もない魔力量により、空間が歪んでいく。最後には人の頭程の大きさの球となった。

ゆっくりと球が大きくなる。


「何だよ、何が起こってやがる!?」


そしてアルテを完全に包み込んだ。魔力の膜に覆われていて、どうなっているかは分からない。5秒程して膜が溶ける様に消えた。そして、傷が完治したアルテがいた。そして、まだ残っている魔力球がまた大きくなっていく。10秒程で膜が消え、獣がいた。狼、鳥、熊、様々な動物の形を模った「獣」がいた。一匹一匹から相当な魔力を感じる。


「んだよコイツら!? いや、雑魚だな 〈魔炎波〉!!」


魔族は範囲魔術を選んだ。邪気を纏う炎が獣達を焼いていく。炎が消えた後には「獣」の数は僅かになっていた。しかし、また魔力球が大きくなっていく。そして、更に魔力を纏う「獣」が現れた。

しかし幾度も魔族は容易く焼き払っていく。

そして暫くした後、魔力球が大きくなった。


「…始めはビビったが、ただの雑魚量産機じゃねーか!! クソが、テメェは最後に殺そうと思ったがやっぱ今殺す。今だ…..チッまだあんのかよ」


そして、また膜が消えた。しかし、「獣」は1体しかいない。それも、人の二の腕程の大きさで黒い、例えるなら蛇の様な姿の「獣」だった。


「にゅう〜!」

「ブッハハハ!!!?!? んだよコイツ!? 舐めた鳴き声だなァオイ。流石にもう限界か? まぁ良いや〈炎閃〉」

「にゅっ」


炎の一閃で「獣」は真っ二つになった。


「はぁ、弱えーやっぱあれで力尽きたか………あ?」

「「にゅあっ!!!!」」


増えた。魔族は一瞬固まったが、切るほど増える魔物もいるのでその類だと考えた。この手の魔物は──


「何千何万と切り刻めば死ぬんだよ!!!!! 〈炎々千閃〉!!!!!」


側から見れば炎の壁に見える程の密度、正確さで「獣」を文字通り千、それ以上に切り刻んだ。しかし。


「「「「「にゅっ!!」」」」」

「はぁ!!?!??!!?!!」


増える。


「にゅうにゅぁ!!!」

「「「「「「「「にゅ!!」」」」」」」」


増えた「獣」が集まっていく。数瞬で腕を形どった。

そして、その圧倒的な質量を振りかぶった。


「にゅ!!!」

「っ、カハッ!? っテメェ!!」


魔族が反撃に出ようとした時には既に別の形になっていた。龍だ。魔術を扱う火葬竜などとは違い、龍が元々備える力のみで頂点に立っている原想種(ネイファルム)の一種である。稀にスキルを得て、神の域へと至る事もある。


「にゅうううううううあああ!!!」


そんな龍を模した「獣」のブレスが放たれた。周りに殆ど被害を出さずに魔族のみを捉える。


「ぁぁあ──!?」

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