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ユヴェールブラッティ  作者: 月島旭
エリーゼの告白
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変えられる過去

「え…それじゃぁ…この過去って…」

「バットエンドが僕らを待ってるってことだ…本当なら未来を変えたいけどそれをしたら時空が歪んでしまうし…」

すると俺の頭が響くように痛み出した。

「ウッ!」

「いお、大丈夫!?」

そうして俺は眠りについてしまった。


「清、清!」

どこからともなく氷尾の声が聞こえた。

すると目の前には倒れた清と焦っている氷尾がいた。

「どうしよう、治癒、治癒せな、でもわて使えへん、清、清!!」

「氷尾…聞いて…」

「どうしよう、どうしよう!」

「氷尾…」

「はぁはぁはぁはぁ…!!」

氷尾は過呼吸になり清は動かなくなってしまった。

「清…?清!?清!清!!!」

すると場面はまた変わりそこはそこは前依頼できた港であった。

「お兄さん悩み事?」

後ろを振り返るとコンテナの上に水色と白と黒のパーカーを着てフードをかぶっており顔が見えない氷尾と同い年くらいの子がいた。

きっと時が進んだのか氷尾の見た目は現在に近い中学3年生くらいの年齢になっていた。

「…わては昔大きな間違いを犯してしまったんや…」

「へ〜、どんな?」

「…愛した人がおったんや…でも最後にそん人の話聞いてやれんかった。わてが慌ててる間あいつはずっとわての名前を呼んどった…わてはあの時どうすりゃええんやったろか…」

「…まぁ、難しいことだよね。俺もわかるよ〜。そういうことは嫌というほど経験してきた。でも、最後に言えば良かったと思うことはいつも一緒、なんだと思う?」

「…わてにはわからん。答える権利もあらへん…」

「フッ、お前馬鹿だな」

「せや…わては馬鹿や…」

「はぁ、お前はその子のこと愛してたのか?」

「あぁ…何よりも」

「そうか、じゃぁそれを伝えれば良かったんだ」

するとその少年はコンテナから飛び降り氷尾を抱きしめた。

「愛してるって言って抱きしめれば良かった。それだけだ、それがその人が1番聞きたかった言葉だ」

「う、う、清…!ごめんな…ごめん…!!」

「今までよく頑張ったな…忘れるなよ、次はしっかり伝えるんだ。人生は取り戻せないものが多くある。でも、それを別の機に取り戻せればそれでいいんだよ。俺の名前はブラッティ、お前を救った男だ!覚えとけよ!」

ブラッティ!?

ということは氷尾はここでブラッティにあったのか…。

すると俺はまた頭が痛くなり目が覚めた。


「ハッ!!」

「いお、大丈夫!?」

起きると汗だくになった翼がいた。

「もう!心配したんだよ僕!」

「ごめん…」

「でも…氷尾、また辛い思い出を経験しなきゃいけないなんて…少し、いや、大分残酷だね…何か思い残したこととかあって時空が歪まないものならどうにかしてあげたいけど…そうしたらきっとここから出られる鍵になるだろうし…」

時空が歪まず思い残したこと…

「そうだ!翼!いいこと思いついた!」

「え、なに?」

するとそこに青葉さんと…凪!?

「凪!?どうしてここに!?」

「そりゃぁ大好きな相棒のためならどこへでも来るよ!」

「ありがとう…でも、凪って青葉さんと知り合いだったんだ」

「「あ」」

青葉さんと凪は2人で何かを思い出したかのように「あ」といった。

「いや〜ちょっと古い知り合いで〜」

凪が気まずそうにしていたのでこれ以上深掘りしないことにした。

そして俺は今までのことを3人に全て話した。

すると青葉さんはいつも通りの微笑みを見せながら話し始めた。

「それは氷尾君と同じ感じで幻覚のせいで過去の記憶を見れたんだよ。幻覚というものは半分偽物、もう半分は本物だからね。それで、伊織は氷尾君を楽にしてあげたいと…まぁいいと思うよ。別に問題はなさそうだし」

「ありがとうございます!青葉さん!」

「いえいえ〜!可愛い伊織の頼みだからね〜!」

すると凪が舌打ちをしたような気がした。

「どうしたの?凪?」

「え、なにが〜?」

「あ…なんでもないや!」


その日の夜

「いや〜月が綺麗だね〜」

青葉は1人月を眺めているとそこに凪がきた。

「そういう甘い言葉を吐いて母さんを落としたわけね…


親父…」

「ははは、息子にそんなこと言われる日が来るなんて…一人前にでかくなったつもりか凪」

そういう青葉は微笑んではいたが目は笑っていなかった。

「でかくなんかなってないよ〜元からあんたよりはデカかったからね。家族を置いて友人とずっと仕事。母さんを置いて消えたくせに、だぁいすきな友人の息子のためだからって言っていきなり呼びやがって…伊織じゃなかったら許さなかったぞ」

「まぁまぁそんなに怒らないの。なになに〜!昔みたいに俺に扱かれたいわけ?」

「笑えるね。俺があんたにしごかれる?立場はもう逆なんだよ…!この!

「この!クソ息子。

    クソ親父!」


そうして2人の親子喧嘩が始まった。

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