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ユヴェールブラッティ  作者: 月島旭
体育祭
36/37

始まりはうるさいもの。

「さぁ行くぞ!!リレーの一位を勝ち取りに!!」

そうして俺たちは拳をあげた。


数日前__

「「「体育祭が始まるよ!」」」

あっつい夏の始まり、翼と氷尾と凪が騒ぎながら俺に言ってきた。

「え〜、めんどくさ〜。こんな暑い中なんでそんなのやらなきゃいけないんだよ」

「青春じゃん青春!僕まだそう言うことしてないもん!」

「わても初めての行事や!」

「俺は何回かやってきたけど久々だし高校入ってから初めて!」

-キーンコーンカーンコーン-

そうしているうちに授業が始まり次の授業は体育祭の種目決めだ。

種目は玉入れ、障害物競走、リレー、借り物競走、棒取り、綱引き、二人三脚、大玉送り、丸バツクイズなどであった。

「出たいものがある人は手を挙げてください」

そうして学級委員長の勝繁桃(かつしげもも)さんが取り仕切っていた。

種目が挙げられるたびクラスメイト達は勢いよく手を上げ俺は丸バツクイズ、そしてリレーに手を挙げた。

だが俺は知らなかった。この丸バツクイズがどれだけ最悪なものかを。

そして翼は棒取り、叶と凪は借り物競走、祈はリレー、氷尾は綱引き、リレーに手を挙げた。


「はぁ、嫌だな丸バツクイズ。失敗したら泥沼ドボンだぜ?はぁ、やだなぁ」

「かわいっそ〜!まぁ、僕は棒取りだから引っ張るだけだからね!」

「わては綱引きとリレーや」

そう言い3人で病院に帰っているとなぜか病院の前で不適な笑みを浮かべている師匠と青葉さん、稲永さんがいた。

「ど、どうしたんですか…?」

俺が恐る恐る聞くと3人はぴったり揃った声で言った。

「「「金がない!」」」

「「「え?」」」


3人から事情を聞くと今赤丸病院には金がなく寮の水道、電気を止められピンチだそうだ。

と言うかそもそもこの病院は一応国に認められてはいるがあまり知られていなかった。

そのためどうしようかと頭を抱えていたらしい。


「う〜ん、困ったねぇ…あ!」

青葉さん曰く宙さんと星乱さんにはまだ怖いから言っていないらしく兎亜さんは長期出張でいないため頼れないと。

だが青葉さんは1人だけ頼れる相手がいると言った。

それは狂華学園校長、稲保ばぁがいたのだ。

そうして青葉さんは学校まで行き校長へ土下座をした。

「金をください!!!」

そしてゲンコツ一発だ。

そりゃそうなる。いきなり金をくれだなんて言う奴には俺でもそうする。それが青葉さんでも。

「いったたぁ〜。なにすんだよばばあ!」

「あ!?ばばあとは失礼なもんだね!一応これでもあんたの師さ!」

「えええええ!?!?」

「いお、知らなかったの?」

俺は初めて青葉さんの師匠が校長であることを知った。

「じゃぁせめて働かせてくれババア!」

「だからババアって言うな陽辻!」

そう言い校長は少し黙り青葉さんを宥めた。

「よしわかった。今度うちで体育祭があるだろ?あんたの息子も出る。あれの救急隊やってくれたらやるよ。大金だ。」

校長は一枚の紙切れを青葉さんに投げ渡し青葉さんはその紙を見た瞬間秒でやりますと言ったのだった。


と言うことで体育祭本番。

最悪だ。

師匠達がとてつもなくうるさい。

「伊織〜!師匠になさい姿見せんなよ〜!」

「伊織!fighting!」

なんでアルさんまでいるんだよ。

周りのクラスの子、おんなじクラスの子含めてこちらを見て冷ややかな視線を送ってきている。

これはもう我慢するしかないと思い自分の席へと帰った。


一種目目は翼の棒取りであった。

翼は体が小さいため引きずられておりとても弱かった。

そしてニ種目目は氷尾の綱引き。

隣のクラスの1組にありえないほどの巨体な奴らが何人かおり一瞬で負けた。

そういう薬でも打ってんのかよ。


そうしているうちに競技は進んでいき叶と凪の借り物競走になった。

まず叶が走り出しお題箱に手を入れ叶はなぜか並んでいる凪の手を引いた。

美少年2人が仲良く走っている姿を見て周りの女子達は次々に倒れていきそしてまた保健室の美青年達を見て倒れるという連鎖が起きていることを俺は知らなかった。

叶のお題を審判が確認しそのお題をみんなに伝えた。

「狼部叶選手のお題は"恋のライバル"!!これは熱い展開になりました!!」

ええええええええ!?!?

2人っておんなじ人が好きなの!?

そう俺が心の中ではしゃいでいると2人がコソコソ話しているのを俺は聞き逃さなかった。

「ねぇ凪。祈のこと好きでしょ?は、渡さねえから」

「誰があんなバケモン好きになるか」

そう吐き捨て遠くにいた祈が凪に向かって三角コーンを投げた。

そして見事とんがっている部分が命中。

これは凪が悪い。

凪はそのまま列に戻り次は凪が走り出しお題箱に手を入れた。

さぁ誰を選ぶのか。

そう考えていると凪はこちらに向かって猛ダッシュ。

俺の手を引いたのだった。

「伊織!来てくれ!!」

「え、凪!?」

こ、これってもしかして……

お題好きな人だったらどうしよう!?

なんて考えていたがお題の内容は…

「え〜獅子王凪選手のお題は"自分より確実に背が低い人"!!」

伊織 163センチ

凪  180センチ

こいつぶった斬ってもいいか?

そうして凪は頭に二本のコーンが刺さったまま保健室へと向かった。

そのあと無事青葉さんにもう一本刺されたらしい。

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