名前の理由は適当に
「ほら、村のためなのよ。あなた達はとても光栄な仕事を与えられたのよ」
4人はとあるリーパーの村の孤児として村に保護されていたが村ではなかなか雨が降らず生贄にさし出された。
そんな時、寝露はいまだに生贄を差し出している村があると聞き興味本位で行っていたのだ。もちろん仕事をサボって。
「ここかぁ〜。ほんとうにまだ生贄出してる村とかあるんだなぁ。あ、生贄まだ出してるなら今度ブラッティでも持ってくるか。」
そうして村の中心を見ると4人の子供が並べられていた。
「ん、あれは……生贄の子達か。かわいそうに」
寝露は最初は助ける気など全くなかった。だがしかし、過去の自分と何かが重なった。
10年前__
「蒼。あなたは母様と一緒に父様のところへ行くのよ。ほら、手繋ぎましょ」
小生は昔早くに父親を亡くし共依存であった母親は俺を連れて死のうとした。
冷たい雨が降る日。俺はとある高いビルに連れて来られた。
いつも小生には興味なんてこれっぽっちもない母親が小生を連れて家を出た時は小さかったが小生には予想がついていた。
「嫌…でい…。おらぁまだ死にたくないでい!」
そういうと母親に思いっきり頬を叩かれた。
涙が溢れた。痛かったが何よりも悲しかった。結局母親は小生自身を見てくれることはなかった。
それがわかった瞬間で気づかないふりをしていたがその時はもう気づくしかなかったのだろう。
だがその時、あなた達は現れた。
「おいおい、自分の子供じゃないのか?」
「あ、あんたは誰なの!関係ないでしょ!」
気づけば後ろに立っていた。黒髪に白いメッシュ、茶色い瞳。俺の大好きな__
「当方黒虎刹那ともうす。隣にいるのがアル・デイルと白尾華夏だ。そして奥方、其方は何故死のうとする?ましてや子供を連れてまで」
「…あの人が…死んだから…!この子のせいであの人が死んだから!!この子が生まれなかったから家計は厳しくなって!」
それから師匠は少し黙ってまた口を開いた。
「そうか、ならしょうがない」
そういい師匠は小生の前で母親を殺した。
さっきまでの感情はどこかに飛び小生は何も思わなかった。
「おい、少年、母親のこと食ってやれ」
師匠の言った言葉にびっくりしたが聞いたことはあった。
リーパーは大好きだった人が亡くなった時にその人の子を食し尊敬、感謝の意味を込め自分の一部にしまた来世で会えるようにと願うのだ。
でも小生は…おらぁ…
「食べない…もう…この人とはもう…会いたくない…」
そういうと俺は抑えていたのかもしれない涙が溢れてきた。
すると師匠は黙って小生の頭を撫でた。
そうしてこう言った。
「……名前は?」
「佐藤蒼」
「じゃぁ佐藤蒼は今日死んだ。お前は今日から上貂寝露だ」
「Why?なんで寝露なの?」
「確かに、上貂も何故なんだ?」
華夏さんとアルさんが疑問を投げかけた。
俺も思った。
「寝露、君は貂のリーパーだろ?それで貂のつく苗字を考えた時上貂が出た。で、寝露は寝て育つ!自分を隠さず表せ!って意味」
「すごい当て字っぽいな」
「yer」
「そんなんでいいんだよ!変な意味つけて縛るのもかわいそうだろ!?…よしじゃぁ寝露お前はこれから自由に生きろ!じゃぁな!」
そうして師匠達は小生の前から消えようとした。
追いかけるつもりなんて全くなかったが俺は師匠の裾を築いたら握っていた。
「俺を…俺を連れてってくれ!!」
「え〜でも〜もう当方のところには5人も変なのいるのに〜」
「おいあと2人俺らだろ」
「あはは…」
「そんな話もあったなぁ……よし」
4人が台に登った時寝露は異能で自分の見た目を変え大きな貂になった。
「小生は貂の神名前は…蒼だ。その4人の子供をもらう代わりに雨を降らせてやろう…」
すると村人達は寝露に頭を下げ4人の子供を差し出した。
「あなたは一体…」
1番年上でしっかりしてそうな男子が後の3人を後ろにし怯えながら寝露に聞いた。
「小生は上貂寝露。リーパーだ。お前達は?」
「1」
「2」
「3」
「4」
「「「「名前はない」」」」
それを聞くと寝露は少し驚いた表情を見せたが何か懐かしげに笑うように4人に名前をつけた。
「おめえらは神に拾われたって事で全員に神の字をつけよう!まずおめえは神月!月が綺麗な日に小生に拾われたからでい。そして2人目!神勿!小生に拾われた事忘れるなよって意味でい!で、3人目!神威!恐れられる存在になれ。そして最後、神楽!いつでも神楽のように綺麗であれ!」
「いい名前…!」
最初に神楽が口を開いた。
「だろ!そうだ、苗字を考えなきゃな……昔にいたお偉いさんから取るか!」
そうして4人は平、源、藤原、橘と名付けた。
それから寝露は4人をメランコリーに入れ直属の部下にしたのであった。