裏の顔
「…………」
気まずい。
俺たちは結局別々で食べることになったのだが4人とも麗央達が気になって全員黙りながら麗央達を見ていた。
「舞愛、食べてる姿も可愛いな!」
「ありがとう、そう言う麗央君もかっこいいよ」
「そうか!」
心なしか祈の手に力が入っている気がする。
拳を丸め少し震えている。
「い、祈…きょ、今日もかわいいな…」
すると祈は少しびっくりしたような顔をしてからそっぽを向いた。
「いきなり気持ち悪い…」
「ご、ごめん…」
俺は落ち込み横目で祈をみると祈は顔を真っ赤にしていた。
なんだか俺も恥ずかしくなり顔を赤た。
すると反対側の隣に座っていた叶が俺の首根っこを掴んだ。
「ちょっと伊織君。話があるんだ来てくれ」
そう言う叶の目は笑っていなかった。
「ねぇちょっと、兄の前でイチャイチャすんのやめてくんない?」
「ごめんって…」
叶は溜息をつき話題を変えた。
「で、どう思う?」
「何が?」
「麗央のことだよ!察してくれよ伊織!」
「ごめんって…!」
でもどう思うって言われてもなぁ。うーん。
「なんかすごい…ヤンデレ…DV彼氏って感じがほのかにした。麗央が睨んだ瞬間舞愛さんはとてつもなく怯えていたから逆らえなさそうだし…」
「流石伊織、俺もおんなじこと思った。あれは調べてみたほうが良さそうだな。」
「そうだね…」
すると後ろからいきなり誰かが現れた。
「いや、もう大体わかっているさ」
そう言って現れたのは青葉さんであった。
「あ、青葉さん!」
「やぁ、伊織」
青葉さんは叶を見て少しニヤッと笑った。
「やぁ、初めまして。俺の名前は青葉羊だ、君の名前は?」
「俺は狼部叶と申します。以後おも知りおきを。」
「じゃぁ一旦凪達も揺れてこようか」
俺たちが祈と凪を迎えに行くと凪は祈にナンパをしていた。
「ねぇ祈ちゃん、俺たちって席近いのにあんまり話したことなかったよね。これからはもっと話さない?」
「……別にあなたと話すことないし…」
そうして俺たちが影で見ていると青葉さんが溜息をして凪の元へ向かった。
「おい、凪。何してやがる」
「うっわぁ……」
凪は露骨に嫌そうな顔をした。
「なんでここにいんだよ…」
「少し用事があったからだ。それより凪は女癖が酷いらしいな。そんなことしてるとまたあの子に拗ねられるぞ」
「はいはい」
まるで親子のような会話を繰り広げる2人を見た時俺は少し懐かしいような寂しい気持ちがした。