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ユヴェールブラッティ  作者: 月島旭
どんな君でも思いは変わらず
10/39

妖怪、猫又の「いただきます」

妖に連れてこられたのはとある廃墟であった。

「ここは…」

「ここは最近できた小規模の組織、ネズミ軍の拠点だよ!」

「なんでリーパーなんかの拠点に…」

「…ねぇ、伊織、伊織は記憶を無くしてから人を殺したことはある?」

妖はニヤッと笑いながら話を進めていった。

「実はね、リーパーって中ものことも食べるんだあよ。生物学的には僕らリーパーもホモサピエンス、人間だからね。ちなみに僕も食べたことあるよ。自分の本当のおばあちゃん。」

「え…?」

「見せてあげるよ…展開」

すると妖の二つの尻尾についていた日が燃え上がり火が消えるとそこは少し古い家だった。

「僕は猫又のリーパーって前言ったよね。実際に猫又は動物じゃなくて妖怪なんだ。だからそれを気味悪がって家族たちは僕のことを嫌っていたんだ。でもおばあちゃんだけは違った。僕のことをいつも守ってくれて大好きだったんだ」

「おば〜ちゃ〜ん!」

家の中に小さい頃の妖と守られる子が入ってきて縁側におばあちゃんらしきお年寄りが座っていた。

「あら、妖じゃない。今日は何かいいことあった?」

「う〜ん、いつも通りない!!」

「そうかい…」

おばあちゃんは小さい妖を優しく抱きしめた。

また景色が変わるとそこには包丁でおばあちゃんを指している女の人がいた。

「あれは僕の母さん。僕に優しくするおばあちゃんが気に入らなくてこの日、おばあちゃんを殺したんだ。そしてそれを見た僕は…」

小さい妖の二つの尻尾が母親の首を絞めた。

「ぐっ…!親に…何するの…!!」

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ…!!!!」

小さい妖は泣きながら母親のことを殺し家から出て隣の家、近くの家に住んでいる親戚たちを全員殺した。

父親、叔母叔父、従兄弟、従兄弟の従兄弟、叔母の叔母、血の繋がっているものはみんな殺した。

そして小さい妖がおばあちゃんの元まで戻ると小さい妖は泣きながら手を揃え…

「いただきますっ…!!」

妖はおばあちゃんの中はガーベラの花で埋まっていた。

花言葉は「あなたを愛し続けます」

ガーベラを見ると小さい妖は泣きながらおばあちゃんの宝石を食べた。

「不思議だよね。今見ても泣きそうになるんだ。でももう泣かないって決めたんだ。いつまでも泣いていたらおばあちゃん悲しむからね!さ、戻ろうか」

そうして俺たちは現実世界へ戻った。


「と言うことで、最初に食べる人間は結構大事なんだ!伊織まだ食べたことないでしょ!?記憶なくなってから!」

「えっとぉ〜」

「え、もしかしてあるの!?いつ!?」

「妖に初めて会った日だよ!!」

「あぁ!!確かに無理やり食わせた覚えがある!じゃぁ今日は…初めて異能を使ってみようか!伊織まだないんでしょ?」

「え、うん…でもどうやって…?」

「自分の1番深く残っている記憶とか好きなものとか嫌いなものとかトラウマ、まぁ自分に深く刺さったものから作るんだ」

「え…う〜ん…いきなりできなさそうだから少し帰って考えてもいいかな…?」

「いいよ!じゃ、また来週ここにきてネズミ軍に能力を使ってみよっか!」

「うん…」

そうして俺たちは寮へ帰った。


「う〜ん、辛い記憶か〜」

「あ、能力のこと?難しいよね〜、作るの」

「わても苦労したわぁ」

「2人の能力はなんなの?」

「僕の能力はティータイム!見せてあげるよ!デスペルタドール!」

すると量が揺れ始めだんだんと世界が変わっていき森の中に大きな机が置かれ、お茶と食べ物たちが並べられていた。

「ふふ、ここは僕の世界。この世界では僕が言ったことは全て本当になるんだ!でもね、ここで死んだら現実でも本当に死んじゃうし閉じ込めることだってできるの!僕は世界をいくつか作れるからいろんな世界にいろんな奴らを閉じ込めてるんだ!でも、この鈴が壊されたらこの世界も壊れちゃうの」

翼が鈴をチリンと鳴らすと寮に戻った。

「へ〜、面白いね〜!でもその能力最強すぎない?」

「そうだよ!僕は他にも能力を持ってるけどこのティータイムは日にちごとに使える回数が決まっているんだ。例えばその日が1日なら僕はティータイムを一回しか使えないけど逆にその日が31日とかだったら31回使えるんだ!」

「へ〜……なんでそのティーパーティって思いついたの…?」

「あ…それは………珠羽(しゅう)と昔誕生日の日に2人だけでティータイムって言ってお茶とお菓子を用意して遊んだんだ。それがすごく幸せな記憶だったからこの能力ができたんだろう」

「そうなんだ…なんかごめん…」

「せや、いお、言っておくけど能力言うもんは強い気持ちからできたものほど強い能力ができる。わて能力、狐月血祭(こげつけっさい)はわての昔の辛い記憶から作ったもんや」

辛い記憶…きっと清のことだろう。

翼もそう思っているのか少し気まずそうな顔をしていた。

氷尾は俺たちが昔の記憶を覗いた事を知らない。

でもいつかは教えてあげなくてはならないとその時強く思った。

「わての狐月血祭は月に3回、10日と24日と31日に使える技なんやけど指定した相手たち全員とその親しい人たちを夜、狐が襲いに行くねん。で、うまくいったらわての元までヘルツを持ってくる。狐たちはわての分身みたいなもんやからわての能力も使えてまうねん。せやからまぁまぁ強い能力やな」

いや、まぁまぁじゃなくて凶器じゃね?

なんて思いながら俺は2人の案を聞いて自分で考えてみることにした。

でも俺には深い記憶があまりない、いや、無い。

さぁ、どうしたものか。

ベットの上でそうこう考えている間に俺は眠りについてしまった。

そして____


夢を見た。

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