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ナイル 対 ルオーク

「ちょっと可愛いからっていい気になってるんじゃないわよ」


入学から1週間、事件は起こった。

今、起こっている。


同学年の女子生徒5人に校舎裏で取り囲まれているのだ。


「いい気になんて………。私が何かしたの?」


カトリーヌは瞳を潤ませ女達を見た。


嫉妬してるんじゃないわよ。どいつもブスばかりね。

同じ教室の貴族の令嬢達だが、男子生徒がそろって私に関心をよせてるのが気に入らないらしい。


「男性に取り囲まれてヘラヘラしちゃって。媚びてんじゃないわよ」


媚びてんのは男性の方でしょ。あーあ、面倒くさい。もういっそ聖女だってことバラしちゃおうかしら。


「こんな女のどこが可愛いのかしら」


は?あんた自分の顔見たことある?

私とあんたじゃ比較対象にもならないわよ。どブスが。


「誤解だわ。私は何も………」


言いかけた時、乱暴に腕を掴んで引っ張られ、カトリーヌは地面に倒れ込んだ。

痛っ!この、よくもやってくれたわね!美少女の顔に傷でもついたらどうしてくれんのよ!?


怒りたかったが、もうすぐイベントが起こり通りかかった王太子とルオークが助けてくれる流れになる。

けど、今のあの王太子が助けてくれるだろうか?


〝大丈夫かい?こんなことするなんて酷いね〟


そして、優しくやんわりと微笑んでくれるだろうか?


この前の冷たい感じからは想像つかない。

教室も違うから接点もあまりなく、前回から久しぶりの対面になるのだが、態度は改善されているだろうか。


「あれ〜、こんな所で何やってるのかな?」


突如した第3者の声に、カトリーヌはハッとして顔を上げる。

女子生徒達もビクッとしてその人物を見た。


う、嘘!何で彼がいるの!?これは王太子達とのイベントよ!


「可哀想に。カトリーヌちゃん大丈夫?」


そう言って片膝をつき、手を差し伸べてきたのはナイル・ヘイロンだった。


茫然としながらもその手につかまり、立ち上がらせてもらう。

ナイルはスカートについた砂を手で払ってくれた。


「誰よ?カトリーヌ、あんたまた色目でも使ったの?」


女子生徒の言葉に、ナイルは手についた砂を払いながら振り返る。


「生徒会庶務のナイル・ヘイロンだ。この学園にいるなら何かと関わるから覚えておいて」


ニコッと笑ったナイルの顔を見て、女子生徒達は顔を赤らめた。


「生徒会のナイル先輩ですか」


先程までの横柄な態度と打って変わって、彼女達はしなりを作りはじめた。


うわっ現金なやつらね。美少女には嫉妬丸出しで、異性のイケメンには媚びちゃって、本当にゲスだわ。


「この学園には風紀委員っていうのがあって、常に生徒達を見守っているんだ。彼らから女子生徒が数名に連れてかれてるけど友達ではなさそうだから様子を見てくれって連絡があってね」


ニコニコと笑うナイルの言葉に、女子生徒達はお互いの顔をチラチラと見た。


「誤解です。私達カトリーヌさんと仲良くなろうと思って皆んなで集まってただけです」

「カトリーヌさんって男の人が好きで男子生徒とばかりいるので私達友達になってあげようかと思って〜」


ホント白々しい。よく言えたもんだわ。


「う〜ん、騙されてあげたいけど、見てれば分かるよね。それでもその演技続ける?」


ナイルの顔から笑みが消え、面倒くさそうに彼女達を見た。

女子生徒達はハッとした顔をして、また互いの顔を見合わせる。


「あっ、ちなみに5回不審行動のチェックが入ると、もれなく生徒会室に呼ばれちゃうからね〜。でも今回は見逃してあげる」


ナイルは再び笑みを浮かべ、女子生徒達へ近づいた。


「女性の嫉妬は醜いよ。せっかく皆んな可愛いんだから、そんな意地悪な顔見たくないな〜。男は馬鹿だから優しそうないつも笑顔の子に目がいっちゃうんだ。君達ももっと緩んだ顔で笑ったら可愛いのに」


上から覗きこまれ、整った顔を間近で見た女子生徒達はすぐに顔を赤らめた。


あっ、その顔よ。ちょっと憂いを帯びたような艶っぽい顔。

さすが182フィートの長身の美男子。

馬鹿女達はたじたじになっている。


「連絡を受けた他の人が来ちゃうと見逃せなくなっちゃうから早く行って。ほら、笑ってね」


ナイルは女子生徒達の背を軽く押して行くように促す。

女子生徒達は戸惑いながらも歩き始め、少し行くと振り返って照れたように笑った。


「うん、いーね。可愛いよ」


ナイルはニッコリと笑って手を振った。


どっこが可愛いんだか。あんなお世話に気を良くしちゃって馬鹿な女達。身の程知らずね。


女子生徒達の姿が見えなくなるとナイルは振り返って、私を見て笑った。


「女の嫉妬は怖いね〜。カトリーヌちゃんがこんな可愛いから悔しいんだろうけど、中身も醜い女達だね」

「あ、ありがとうございました………」


カトリーヌはペコッと頭を下げる。

さっきは可愛いとか言ってたくせに、やっぱりそうは思ってなかったんだ。


「風紀委員に連絡をもらって面倒だと思ったけど来て良かったよ。カトリーヌちゃんを助けられた」


ナイルはにこやかに笑ったが、そこでハッとした。

こんな人気のない場所で2人きり。

迫られたらどうしよう。でも、会って2回目だし、そんなすぐ迫ってこないわよね………。

とりあえず話題を振ろう。


「あの、風紀委員って………?」


そんなのゲームにはなかったはずだけど。


「会長が生徒会を新しくした時に作られたんだ。表だって風紀を正す委員とさ、陰の風紀委員ってのがあって陰の方はどの生徒が委員なのか本人と生徒会役員、あと風紀委員の幹部以外は誰も知らないんだ。それで陰ながら不審な事をしてる人がいないか監視してるんだよ」

「そこまでする必要があるんですか?」

「………ま、まあ見えないとこで悪い事しちゃう人もいるからね」


視線を逸らしながらナイルは言った。


「今回の私の事もその陰の風紀委員が?」

「そうだよ。俺は陰の連中教えてもらえてないから、他の人から連絡受けたんだけど」

「えっ、生徒会役員なのに?」

「あー………。まあ、いろいろあってね。連中は、知らせる人が誰もいない時は、ピーッて甲高い音のする笛を吹くんだよ。それを聞いた近くの人達は、なるべく行ってあげるように生徒会や風紀委員から生徒に通達してるんだけど、1学年にも慣れてきたら連絡いくんじゃないかな」

「そうなんですね。平民の子も多いですから、何かあった時それだと安心ですね」


もしかしてナイルも女癖悪いから監察対象になってるんじゃないの?


チラリとナイルを見ると、こちらを見ながらニコニコと楽しげに笑っている。

ヤバい、目が合った。は、早く何か話題を………。


「カトリーヌちゃんって付き合ってる人とかいる?」

「い、いえ………」

「えー、こんなに可愛いのにいないんだ。じゃあ、今まではいたの?」

「えっと………いたことありません」

「本当!?うわっ、初めてかぁ。嬉しいな」


う、嬉しいってどうゆう事よ?

こうゆう会話慣れてないからどう対応していいか分からない。

何だかナイルのペースになってる気がするし。


「じゃあさ、俺と付き合っちゃわない?」


直球きたー!ど、どうかわせばいいの?


「か、からかわないで下さい。私達会ったばかりですよ」

「からかってないよ。俺はもう遊びでは声はかけない。カトリーヌちゃんとなら本気で付き合いたいって思ったんだ」


笑顔が消え、真剣な瞳が私を見つめる。

えっ、え?これ本気のやつ?展開早くない?


「………ナイル先輩は、前からもこんな感じなんですか?」


どうしよう。どうすればいい?まだ全員の攻略者とも会ってないし、イベントもこなしてないのに。決めるには早いんだってば。

本気っぽいけど、これかわしてもいいの?


だが、ナイルは少し動揺し視線を逸らした。


「前って…………もしかして何か聞いた?前の俺の事知ってんの?」


前の俺って、やっぱりこの変貌ぶりは何かあったって事?

前はゲームのようなナイルだったの?


「その、少しだけ………」

「そっか………」


ナイルは髪に手をやりながら、参ったというように息をついた。

それからすぐに真面目な顔をして私を見る。


「誤解しないでほしいんだ。前は女の子なら誰でもいいような男だった、さっきの女の子達みたいなのだって簡単に落とせるから相手してた。でも、今はもう違う。今からこんな事を言うと重いけど、責任をとれる覚悟ある子にしか声をかけないよ」


責任って、結婚ってこと!?いきなりラストなんですけど!


「それくらい本気って事。カトリーヌちゃんみたいにふわふわで可愛い子とずっと一緒にいれたら将来も楽しいだろうな〜って。まずはお試しでお互いを知っていけたらどうかな?」


ニコッと笑うナイルの手がのばされ、頬に触れた。

ちょ、ちょっと、な、何?キキ、キスすんの?


「そ、そんな簡単に変われるものなんですか?」


言いながら2歩後ろに後退した。

心臓に悪い。ドキドキが止まらない。


「信用ないか………。確かにちょっと遊び過ぎてはいたしね」

「そ、そうですよ」

「でもだいぶ変わったんだけどな。うちの会長にこってり絞られてね。腐った性根を更生させてやるって、長かった髪もばっさり切られて、付き纏われ勝手に稽古つけられたり、無理矢理生徒会に入れられて雑用ばっか押し付けられてさ」

「えっ…………」


会長ってシルビアよね。ナイルとシルビアに接点なんかなかったはずだけど。


「生徒会長って公爵令嬢の方ですよね。私最初に会った時、綺麗な男性だと思ってしまったんですけど」

「あはは、よく間違われてるよ。在校生はもう知ってるけど、街なんか行くとね。女にしてはデカいし、顔もあれで男の服なんか着てるからまんま男だよね」

「どんな人なんですか?」


ゲームでのシルビアの事は知ってるけど、今のシルビアについては何も知らない。

王太子とも友達みたいに接していたし、王太子にとっても男友達みたいな感じなのかしら?


「一言で言えば怪物かな。何をやらせても1番、学科も入学前には全部終わらせてきたようだし、剣も体術だって誰も敵わない。おまけにとんでもない魔力持ちでさ、家柄も最強だし、もうコイツ何なのってくらい別格だ」

「そうなんですか!?」


あのシルビアが?我が儘お嬢様で勉強だってそんな得意ではなかったはず。それよりもお買い物したり、お洒落したり、取り巻きを連れてお茶をしながらお喋りしてたわよね。

剣って………今の姿なら何の違和感もないけど、あのシルビアが剣の使い手っていうのが信じられない。


「とんでもない魔力持ちって、暴走させたりするんですか?」

「ん?いや、コントロール出来てるから大丈夫だよ。でもうちの伯爵邸はぶっ壊されたな〜」

「何それ、酷い………」


やっぱり暴走はしてるのね。大丈夫なように見せかけてるだけで、扱いきれてないんだわ。


「あ〜、誤解のないように言っておくけどシルビアは俺の為に怒ってくれたからなんだ。酷い奴でも怖い奴でもないから。俺も素直じゃないから口を開けば男女とか文句ばかり言っちゃうけど、本心じゃないからそのまま受け取らないで」

「えっ………」


どこかで聞いたようなセリフ。

ナイルまで王太子と同じような事言わないでよ。


「俺の為にこんなに一生懸命になってくれる奴はシルビアしかいないよ。全然甘やかしてくれないけど、嬉しいし俺は救われた。あいつはいつも全力で前に進んでくから、俺もいつまでも腐ってらんないなって思わされるんだ」


は?何………その顔?

照れたような、幸せそうな顔しちゃって。どうゆう事よ?


「……好きなんですか?」

「ああ、大好きだよ。遠目からは男っぽいけど、近くで顔を見れば凄い綺麗な顔してるんだ。いい女だよ、あいつは」


何だそれ?さっきあんた私に告白してなかった?

本気だって言ってなかった?


「じゃあ、さっさと告白でもしたらどうですか?」

「いや、シルビアは俺の事なんて全く眼中にないし。それに婚約者もいる。どうにかなりたいとは思わないよ」

「それで私ですか?会長の代わりって訳?」


怒りで握りしめた拳がワナワナと震えた。

人を2番手みたいに言ってんじゃないわよ。シルビアが駄目だから私?ふざけんな!!


「ちょ、違う!カトリーヌちゃんとは付き合いたいけど、シルビアはただ好きなだけで………!」

「その違いが分かりません!じゃあ、会長から告白されたら断るんですか!?」


その言葉にナイルは無言になった。

こ、こいつ〜!!最低!!


「あっ、違うから!あり得ない事言うから想像しただけで、そうゆうんじゃないから!」

「もう先輩が信じられません。それじゃあ」


行こうとしたカトリーヌの手を咄嗟にナイルが掴む。


「俺が信じられないなら、友人でいいから少しづつ俺の事知っていってくれないか?」

「離してください。大声だしますよ」


苛つきのままにギロリとナイルを睨みつけた。

陰の風紀委員ってのは見張ってないの?

さっさと笛吹いてこいつをどうにかしなさいよ。


「強気なカトリーヌちゃんも可愛いね」


嬉しそうに笑ったナイルに、カトリーヌは顔をしかめた。


はい?状況分かってます?


「おい、何やってんだよ!?」


突如した声に、ハッとしその主を見る。

聞き覚えのある声。その姿も…………。

そこには怒った顔のルオークと、王太子がいた。


「嫌がってるだろ!」


ルオークは足早に駆けつけ、ナイルの手を払った。

そして庇うように私の前に立つ。


先にナイルが来ただけで、もしかしてイベントは続いていたの?


「大丈夫?何かされなかった?」


心配そうな顔でルオークが私を見る。


「おい、何かってどうゆう意味?誤解してるようだけど俺はカトリーヌちゃんを助けただけだから」


腕を組みながら、不満をあらわにナイルはルオークを睨んだ。


「カトリーヌちゃんって………馴れ馴れしいな。どうゆう魂胆だ?お前みたいのが何も無しに近づかないだろ」

「ああ、シルビアから何か聞いた?それで勝手に人の事を決めつけてんだ。前とは違うのに」

「そうだよ、お前みたいな最低な奴信用できるか!」


ルオークの言葉にナイルはギリっと唇を噛んだ。

両者は火花を散らすように無言で睨み合った。


カトリーヌは少し後ろに後ずさる。


険悪な雰囲気…………。そうだ、王太子は?

探してみると、最初にいた所から動かずにこの様子をただ観戦していた。

ちょっと、見てるだけ?止めないの?


「あの、ナイル先輩が助けてくれたのは本当です。それだけなので…………」

「それだけじゃないよ。告白したでしょ」


ニッコリとナイルは笑った。


も〜、私がすんなり収めてあげようしたのに〜。


「告白!?カトリーヌ嬢、こんな奴絶対にやめた方がいい!」


ルオークは焦ったように言ってきた。


「さっきからさぁ、失礼だよお前。お前に関係ある?だいたいカトリーヌちゃんの何な訳?好きなの?」


ナイルの言葉に即答出来ずに、ルオークはグッと黙った。


2人の男が私の為に言い争っている。

それは嬉しいけど、男達の争いは手が出そうで見ててハラハラしてしまう。


「あーあ、やっぱ馬鹿だったか。でもまぁ、こればかりは仕方ないのかな…………」


横から声がしたので見ると王太子が隣に来ていた。

私の視線に気づくと、王太子はにこやかに笑ってこちらを見た。


「前は酷い態度をとってごめんね、カトリーヌ嬢。シルビアは婚約者でもあり、僕の大切な友人でもあるんだ。心無い事を言われることもあるけど、久しぶりだったからか苛立ってしまったよ」

「あ、私の方こそよく知らないのに学園長の言葉のままに……。本当に浅はかでした」


カトリーヌはシュンと落ち込んだように俯いた。

どうしたの?王太子好意的じゃない。

あの時は苛々してたけど、冷静になったらやっぱり私が気になる訳?そうなの?


「うん、じゃあ仲直りしよう」


輝かんばかりの微笑みで笑う王太子に目が眩みそうになった。

王太子ルート復活!やっぱ男は顔でしょう!正統派イケメン最高!


「は、はい!仲直りしましょう」


わ〜、こんなイベントなかったけど最高!

攻略者3人が集まるイベントなんて………あっ、あの2人は!?


「カトリーヌちゃんを好きじゃないなら引っ込んでな、坊や!」

「坊………!俺は、あれだ、友人だ!お前みたいな女癖の悪い奴に任せられるはずがないだろ!」

「過去の話をいつまでも言ってんな!今は全く遊んでない、真剣に恋愛しようとしてんだよ!」

「信じられるかよ!」

「お前に信じてもらわなくたって結構だね!だいたい友人!?自分の気持ちも言えないような奴が出しゃばってくんな!」


そのナイルの言葉にルオークは言葉に詰まった。


え〜、ここでまさかルオークからも告白とかあり!?

展開早すぎない!?もっとイベントこなしてゆっくりいかないと対応できないわよ!


心臓がバクバクしながら、うつむくルオークを見た。


どうしよう。どうしたらいいの?まだ誰かを選ぶには早すぎるんだってば〜。


すると隣で、大きなため息が聞こえた。


「あ〜もう。カトリーヌ嬢、ちょっとごめん」


エディスはカトリーヌの手を取るとグイッと引っ張る。


「さっ、ここはうるさい男達がいるから行こう」


笑みを浮かべながらも、エディスは強引に手を引いて歩きだした。


こ、こうゆう強引なのも嫌いじゃない。

繋いだ手の大きさと温もりに、ドキドキとした。

男の子と手を繋いだのなんて初めて。

男の子の広い肩、背中、後ろ髪、その姿に胸が高鳴った。


言い争そっていた2人はハッとする。


「お前、もうカトリーヌ嬢に近づくなよ!おい、エディス!」


ルオークはナイルへと言い、カトリーヌを連れて歩いていってしまうエディスを慌てて追いかけた。



前方でカトリーヌとエディスに合流したルオークを見ながら、ナイルは表情を曇らせた。


「まさか王太子もって事はないよな…………。あいつを悲しませるようなら俺が貰っちまうぞ」


小さな声でそう言ったあと、ナイルは自分の言葉におかしそうにクスリと笑う。


それから踵を返し歩き出した。

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