表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/14

第八話 嵐の前触れ

 俺たちは、城下町の外にある緑豊かな森で最近よく目撃されるようになった魔物を討伐していた。本来であれば依頼を受けた冒険者が討伐するのだが、圧倒的な強さを持った冒険者が一人でこなしてしまうので、ほかの冒険者は仕事を求めて他の町に移動してしまった。そのおかげで、王城に勤めてる騎士団が依頼があると任務という形で討伐するのだ。だが、文句は言えない。何を隠そう、その冒険者とは俺の姉ちゃんなのだ。だから、その身内である俺が尻拭いをしなければならない。いつか文句を言ってやろうと心に刻んだ。

 だが、姉ちゃんはどういうわけか、今は他の町で冒険者のギルドを立ち上げたそうだ。周りに迷惑をかけてないことを期待しよう。

 そう思って森の中を歩いてると奥の方から何か奥から物音がする。


「みんな、止まれ」


 騎士団に命令し、木の陰から様子を見る。そこには棍棒を持ったゴブリンが数体うろついていた。その足元には動物たちの死骸が転がっている。おそらく食事をしていたのだろう。ゴブリンたちは見たところ食事をしたばかりなのか寝てしまってるのもいる。奇襲をかけるなら今がチャンスだろう。俺は念のため、索敵魔法【サーチ】を発動して辺りを調べたが近くに他の魔物は確認できなかった。


 それから、数分後、危なげもなくゴブリンを全滅させて、空を見ると日が傾いてきたので帰りの準備の指示を出そうとしたところで、一人の女騎士に呼ばれた。


「隊長、ちょっと来てください!」

「どうした!!」

「これを」


 女騎士が指さす方を見ると明らかに人工的な洞窟があった。ダンジョンだ。ダンジョンは、魔物の瘴気が集まるところに突然できることがある。ダンジョンは、中にある赤い魔石を破壊すると消滅する。でも、ダンジョンはの中は外と比べ物にならないほど強力な魔物がウジャウジャしている。攻略に行った冒険者が帰ってこない話はよく聞く。だが、中にはレアアイテムが見つかる場合もあるので攻略に行く冒険者が後を絶たないのが現実だ。だから、ダンジョン攻略は準備をしっかりしてから望むのが基本だ。


「これは、ダンジョンだな。一旦戻って国王に報告してから対策を考えよう。みんなには城に戻ると伝えてくれ」

「はっ! 了解しました」


 女騎士は敬礼すると踵を返して伝えに行った。




 だが、この報告をすることはなかった。この時、王城ではそれ以上のことが起きていたからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ