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第二話、レオスとクリス

 新聖歴二七三年、アルヴィス王国、王城ににて、


「はぁっ! やーっ!」


 庭園にて、木刀をフンッ、フンッと振っている少年はダリアン・レオス・バッハ―。両親は王城に勤めていて騎士団の隊長、副隊長もやっている。そして、王様のアルヴィス八世とも仲が良くたびたび屋敷に来ては酔いつぶれている。とても偉そうには見えない。


「レオス、素振りが終わったら、姉ちゃんと打ち合うわよ」


 レオスに声をかけてきたのは姉のダリアン・クリス・バッハ―である。姉は俺と五つも年が離れて今は十三歳である。だが、剣術に魔術も超一流で将来は騎士団に入るのではと期待されている。でも俺は知っている。騎士団に全く興味がないことも。今時、姓と名があるのは貴族でも珍しいらしい。親が言うには英雄である先祖の名を受けづくために使っているらしい。


 俺は、素振りが終わると近くに置いてたタオルで顔の汗を拭き姉ちゃんと対峙した。


「さぁ、どこからでもかかってきなさい!」


 姉ちゃんが木刀を中段に構えている。どこからでも打って来いということだろう・・・・・・

 俺は覚悟を決めると自分自身に身体強化をかけ木刀の強度も上げた。今、俺がゆういつ使える魔法だ。

 俺は、上段に構えると思いっ切り踏み込んで姉ちゃんに叩きつけた。


「そんな大振りじゃいくらたっても姉ちゃんに当てられないわよ」


 姉ちゃんはそう言うと避けざまに足を出してきた。それに引っ掛けられた俺は顔面からダイブして顔が土まみれになった。


「もう終わり?」

「まだまだ」

「そうこなくちゃ」


 俺は起き上がりざまに姉ちゃんの足下を狙ったがすんなり躱され、


「あんたの狙いはバレバレよ」

「俺の攻撃はまだ終わってないぜ。くらえ!!」


 俺がそう言うと右手に隠し持ってた砂を姉ちゃんに向かって投げた。姉ちゃんの視界を遮った。


「今だ、くらえ! 積年の恨み!!」


 カーン!!!


 俺が横凪に胴体に振りぬいた木刀は身体強化した姉ちゃんの木刀にはじかれ根元から折れてしまった。


「身体強化するなんて卑怯だぞ」


 姉ちゃんは無言で歩いてくると身体強化した拳で俺の脳天に叩きつけてきた。


「イッッター!!!」


 俺が頭を押さえて蹲っているとそれを見下ろす姉ちゃんは悪魔に見えた。そう思ってることが顔に出たのか姉ちゃんは指をポキポキ鳴らしながら、


「いくら勝てないからってあんな卑怯な手を使うなんて私の教育がたんなかったのかしらねえ~!」


 俺はブルブル震えあがり勢いよく土下座した。


「ご、ごめんなさい!!!」


 俺の声が城内に木霊した。

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