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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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97話 『外のモンスターは人間っぽい?』

 うー、あー、目が回るぅぅぅぅうぅぅぅぅう!

 誰か〜、助けてよ〜。

 ーーはっ! そうだ! 変態スキルを使おう!

 今はスライムだから液体だしグングン流されてるけど、麒麟になれば体の大きさ的に脱出出来るはず!


 ん? あれ? 浮遊感?

 ひぃぃぃぃぃい! 落ちてるんだけどぉぉぉぉお!

 無理無理無理無理、こんな中でスキル使う余裕ないって!

 なにこれ、迷宮で落ちた時より圧倒的に高いんですが、もしかして外の世界って迷宮より危険?


 はぁ?

 嘘でしょ!?

 あり得ないでしょ! なんか恐怖よりも段々キレそうなんだけど!

 私を舐めるなよ! この程度の滝から落ちるくらいじゃ死なないわ!


 ーーあ、やっぱ無理かも。


 あー、良かった。

 なんとか生きてたみたい。

 結構体が飛び散ってるけど、そもそもなんでこんな事になったんだっけ?

 ……あー、そっか。私の不注意か〜。

 って違うわ! いや確かに不注意なんだけども! そもそもなんであの川がこんな凶悪な滝に繋がってんの!?


 私が落ちた滝は、おおよそ高さでいえば数百メートルを超える。

 そこから流れ落ちる水は容赦なく岩を削り、水に打たれればその重さは計り知れない。

 それに加え、水の中で流されていたからこそ分からなかったが、恐らくあの川はこの滝に繋がっている一部であり、あんな風な川が幾つも枝分かれして最後に集まり、この滝を作っているんだと思う。

 ま、そもそも私そういうの詳しくないからよくわかんないんだけどね。

 いやー、にしてもまさか外の世界でこんなすぐに死を悟りそうになるとは思わなかったな〜。


 まぁ、ステータスを見れば分かる通り、正直余裕なんだけどね! さっすが私!

 さてさて、水の音もうるさいし、そろそろ適当に散策してみよーっと。


 あ、念のため変身スキルを使っとかないとね。

 早く慣れないといけないし!


 滝から離れて歩き出した私は、独り言を呟きながら喋る練習をしていた。

 しかし、スライム形態に戻らない為にも、辺りに気を配りつつ、更に集中力を途切れさせないという割と無茶なことをしていたお陰もあって、私は数体のモンスターが近づいている事に気付くことが出来た。


 うーむ、どうしたものか。

 ここで既に威圧スキルは解除してるし、多分モンスターも逃げないと思うんだよね。

 でも、まだどんなモンスターなのか分からないし、私の言葉に気付いて追ってきてるみたいだから、とりあえず一旦スライムに戻って隠れるのがベストかな。


 そうと決まれば即行動! 変身解除! からの〜、草むらへと隠れる!

 よしっ! 完璧だ! 私の大きさならバレないし、こっちからは見える位置!

 さぁモンスターよ! 私の前にその姿を現せ!


『ン? キエタ?』

『イヤ、オソラクカクレタ』

『サガシテミル』

『ミツケタラコロサズツカマエロ』


 あちゃー。

 まさかのそういうモンスターね。

 確か……そうそう! 迷宮でも居たゴブリンだ!

 でもこいつらってこんなに話してたかな?

 集団で行動してるっていうのは同じなんだけど……。


『ミツカラナイ』

『ソロソロモドル?』


 うーん、ゴブリンってもなんか話聞いてる限りだと凄い人間っぽいんだよねぇ……。

 迷宮内の奴らは荒っぽかったし、モンスター感が凄かったけど、今のこいつらはなんていうか冷静だし、私にだけかもしれないけど日本語で一応喋ってるし、殺すか迷っちゃうかも。

 多分会話は出来ないだろうから殺すのが正解なんだけど、なんか嫌だなぁ。


『ムラニモドル。ツイテコイ』


 太陽が沈み、夜に差し掛かったところでゴブリンの恐らくは隊長が他のゴブリンをまとめ上げて来た道を戻り始めた。

 バレないようにわたしもそれを追いつつ、会話を聞いているが、どうやらゴブリンたちが戻ろうとしている集落には他にも捕まった人間が居るらしい。


 けど、そう簡単には集落に行けないみたい。

 私の姿は完璧に隠れているからバレてはいないものの、気配で感じ取ってるのか、ゴブリン達は度々振り向いたり、辺りを見回したりしている。


 むむむっ。どうするかなこれ。

 なんかゴブリン達遠回りして向かうみたいだし、このままだと面倒くさいよね?

 うん。めんどくさい!

 よし! どうせ襲われても勝てるし、一旦出てみよう!


 さーて、私の人間姿にこいつらはどう対応してくるのかな〜?

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