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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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92話 『私が覚悟を決めた場所』

 私がスキルを発動すると、私の喉元はぐんぐん熱くなっていき、次の瞬間には口から光輝くブレスが壁に直撃した。

 そして、直撃すると同時に響き渡る音と迷宮を揺らすほどの爆発が起こってしまった。


 ……な、なんてこった……。

 この惨状を見れば分かる通り、今の私は若干の地震を起こしてしまったことになる。

 う、うーん。

 もしかしなくても私スキルの選択失敗しちゃったかな?


 いや、まぁでももうちょっと考えてから使えば良かったかも……。

 魔法にすれば良かったし、スキルだって違うのにすればこんな事にはならなかったのに……。

 こんな迷宮を揺らすほどのモンスターに会った事ないし、もし今この迷宮に挑んでる冒険者とか人間がいたら絶対に噂になっちゃう。


 どうしよ……って今更考えても仕方ないし、これは他のモンスターがやった事にしよう。

 実際今から上に行って外に出るけど、なにかしら噂されてても私じゃないって思うしかない。

 うん。そういう事にしておくべきだよね。

 ま、何はともあれこんなヤバいモンスターを無傷でゲット出来たのは本当にラッキー。

 スキルとか魔法とか、まだまだ色々試してみたいけど、ま、それは後の楽しみに取っておくとしよう!


 さぁ! 外に向かって全力疾走だ!


 外に向かって駆け上がる。

 そう決めてから私は振り返る事なく進み続けた。

 そしめ、まだ通った事ない道や上へと続く道を探し続けて、何日、何週間と私は彷徨い続けていた。

 勿論、迷いながら進み続けることは困難だし、空腹や気力の問題もある。

 けれど、私の強さに恐れることなく無謀にも挑んでくるモンスターを返り討ちにして食し、時には休憩を取って気力を回復させたりと、あらゆる事を駆使しながらも私は諦めることなく外を目指した。


 そうしてスキルや魔法も大体試し、このモンスターの性能をおおよそ理解したところで、私は見覚えのある道へと辿り着いた。

 それは、私が下に落ちる事になった原因の場所だ。


 うわぁ、懐かしい。

 そういえば昔はここで熊と戦ったなぁ。

 ってか昔の私はどうしてスライム状態で熊と戦おうと思ったんだっけ?

 んー、思い出せん!

 確か切羽詰まって逃げ場がないとかそんな感じだったと思うけど……。


 って、あー!

 うわぁ。最悪じゃん!

 良く見たら隙間がある!

 っていう事は昔の私が見つけてたら戦わずに逃げれたし、下へも降りなくて済んだじゃん!

 あーあ、あの時もうちょっと冷静に周りを見れればなぁ。


 ま、でもいっか!

 あそこで戦ったおかげで今の私があるんだし、結果良ければ全て良し!

 それに、あの日に意を決して熊と戦わなかったら、私の中でまだ命の奪い合いやら、戦うという事とか、恐怖とか、そういった諸々が芽生えてなかったかもだしね!

 うんうん。そう考えるとあの熊は私に色んな事を教えてくれて有り難いって感じ。

 最後にはご飯にもなってくれたし、足を向けて寝られないね。


 っと、そうだそうだ。

 こんな所で寄り道してる暇はないんだから、さっさと上を目指さないと。

 ……でもなぁ。

 気になっちゃうよねぇ。この隙間の先ってどうなってるのかなぁ。

 いやまぁどうせこの階層の何処かに繋がってるだけだし、特に宝とかも私は要らないからどうでも良いんだけどさ、一回見つけちゃったら気になっちゃうよ。


 うー。

 いや、ダメ! 先に進もう!

 ここで時間を使ったら勿体ない!

 それにここまで来たらだいぶ上の階層だし、外まであと少しなのだ。


 だから、いつかまたここに戻ってくる時があったら再度探索しよう。

 ま、来る事はないだろうけどさ。

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