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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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84話 『魚ってこんな姿じゃない!』

 ふおおおぉぉお!

 やばいやばい!

 なんだこいつ!

 どうして私の辺りに引っかからないんだよ!

 追ってくるんじゃない! やめろ! どっか行け!


 ぐぬぬ。

 まさかドラゴンには囮作戦が効かないなんて……。

 そんなの最初から教えてよ!

 意気揚々と浮遊で抜けようとしたら追われるなんて聞いてないし!


 うわぁ!

 危ない!


 浮遊で飛びながら全速力で逃げる私を狙って、2体のドラゴンは炎の弾を吐いてくる。

 掠るだけでも熱く、直撃すれば撃墜されること間違いなしの攻撃。

 それに加えて最初にバレてなかったアドバンテージがあったものの、今では距離を詰められてきている。

 このままじゃ追いつかれて食べられるか、どっちみち落とされても他のモンスターに襲われて死ぬ。


 頑張れ私!

 ここを乗り切ればなんとかなるはず!


 ん?

 あれ?

 追いかけてくるのやめてくれた?

 どうしてだろ……。


 んー。ま、いっか!

 結果良ければ全て良し!

 さーてと、マグマ地帯に着いたわけだけど、どうしようか。地面に降りようかな。

 でも激熱だったら足が使えなくなるよね。


 よし。ちょっとだけ、ちょこーっとだけ触れてみよ。

 そーっと、足先だけ。


 ……ふぅ。問題なさそう。

 というか、このマグマ地帯は進んだらなにかあるのかな?

 見渡す限りは何もなさそうだけど。

 もしかしなくてもここも一本道?

 でもだったらどうしてドラゴンは私を追いかけるのをやめたんだろう。


 うわっ。

 マジか。そういうことね、完全に理解した。


 キョロキョロと見渡している私の目の前で、空を優雅に飛んでいた巨大な魚は、マグマ地帯から現れた巨大なウナギに丸呑みされていた。

 それも、私が瞬きしているうちにマグマへと戻っていったウナギを見るに、掴んだら無理やりマグマに引き込むんだと思う。

 確かにこれなら空を飛ぶのは得策じゃないし、ドラゴンが逃げるのも納得出来る。


 いやー、それにしても浮遊で抜けようとしなくて良かったぁ。

 もし私が飛んでたりしたら、普通にマグマに飲み込まれるより早く食われてただろうしね。


 それにしても、よくよく見ればマグマの中に色んなモンスターが居るなぁ。

 多分というか絶対に私を見てるアンコウもいるし、泳いでる魚もいる。

 遠くに見えるのは私が一度変態できた恐竜みたいなやつの更に大きく、真っ赤に染まったモンスターまでいる。

 しかし、どいつもこいつもマグマから出る気配ないし、さっきのウナギだって出たのは一瞬。


 こいつらはマグマから出たらすぐ死んじゃうとかなのかな。

 地球の魚と一緒で陸じゃ生きられない生物なのかも!

 よっしゃ! それならここを抜けるのは簡単!

 飛び出てくるモンスターに警戒して歩いてくだけ!


 うおおおっ! なんだこいつ!

 前言撤回だよ!

 アンコウのやつなんで歩いてこっちに向かってきてんの!?

 折角私が進もうとしてたのに絶望を与えにきたのか!

 なんでやつだ。許せない。

 食ってやる。


 あ、待った。

 めっちゃキモいんだけど。

 ホントに魚に足だけ生えた生物だし、足は半魚人? みたいな感じ。

 なんかやだなぁ。

 近づくにつれて鮮明になってくの最悪なんだけど。


 うぇ?

 なんかあいつ走ってない?

 いやいやいや、見間違いだよ見間違い。

 魚が走るなんて……うわぁ……。

 マジで走ってるよ……。


 気持ち悪いなぁ。

 さっきのウナギがこいつのこと食べてくれないかな。


 近寄ってきたら戦おうと思いつつ、去ってくれるのを待っていたら、私の願っていた通りマグマから虎視眈々と狙っていたウナギが走ってるアンコウを捕食した。

 ただ、まさかのアンコウ部分だけを噛みちぎり、足はその場に残している。

 ピクピクと動いている足は見るに堪えないくらい気持ち悪く、私は目を逸らして進もうと決意した。


 早くこんな所から抜け出す為に。

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