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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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80話 『この世界は狂ってる』

 三度目の自爆。

 相変わらず私を襲う死の感覚。悪魔の姿で飛んでいる私の体から力を奪い、意識と魂を刈り取ろうとする。


 だが、私は耐えた。

 地面に力なく墜落しようとも、意識は落とさず、魂も刈り取らせなかった。

 決して慣れたわけじゃない。

 ただ、勝敗の行方を私は見たかったのだ。


 もしこの自爆でスケルトンに息があれば私は死ぬしかない。どうせ死ぬのなら決死の覚悟で挑んだ相手に殺されたいのだ。自爆で死ぬなんて言語道断。


 そうして墜落したその体を持ち上げず、顔だけを上げて煙の晴れた場所を見てみれば、私の心は安堵と達成感に包まれた。

 人間だったら涙を流していたかもしれない。

 それくらい私はスケルトンに勝てたことが嬉しかったのだ。


 鎧だけが自爆の発生した場所に残り、中身は消えている。

 それを見て私はようやく気を抜いた。


 周りに他のモンスターなんて存在せず、残ったのはクレーターが出来た地面だけ。

 元々この場所にはモンスター存在しなかったのか、スケルトンが意図的にここに来たモンスターを倒していたのか。

 まぁどちらにしても今モンスターが現れたら十中八九死ぬし、丁度いい。


 はぁ。なんていうか今回は本気でやばかったかも。

 魔力切れとか、色んなことで死にかけてきたけど今回死を経験したし、実際に殺されそうにもなった。

 分裂と自爆がなければ確実に殺されてたし、成長限界に達しなかったり、進化しなかったりしても負けてたと思う。

 だから、これは奇跡としか言えない。


 って言っても自爆スキルに至っては今回がぶっつけ本番やんだけどね。

 明らかに死にスキルだから本番以外で使うわけないんだけどね。

 ……でも、もう二度と使わないと思う。


 威力は高いし、範囲攻撃だし、有用性はあるんだけども、デメリットがなによりも大きすぎる。

 死を経験するって普通に考えてやばいでしょ!

 使えるわけがないよ! 今回は偶然興奮状態だったり、使わなきゃ死ぬ状況だったから使ったわけで、それ以外の時は使わない!

 無理! もう味わいたくない!


 しかし、良く良く考えればスケルトンってホントに化け物だったな。

 自爆スキルを2回も耐えたわけだし、鎧に至っては3回目も耐えてる。

 うん。もしかしてこの先にいるモンスターって全員こんな感じ?

 だったら私絶望するよ? 泣いちゃうよ?


 あ、っていうかスケルトン倒したけど私の成長ってどうなってるのかな?

 スケルトン一体だけだからかもしれないけど、成長限界に達したとか聞こえてこなかったんだよね。

 私的には今回の戦闘で一番成長してると思うんだけど……。


『成長限界に達しました。進化が可能です。進化いたしますか?』


 って、おい!

 なんだそれ! 絶対忘れてただろ! 絶対思い出したように私に伝えてるだろ!

 スケルトンを倒してから割と時間経ってるんだぞ!


 ……はぁ。全く。どうなってるのか分かんないよ。

 ま、とにかく進化できるなら進化しようかな。


 進化を選択っと。


『エラー。進化できません。エラー発生』


 うっ。なにこれ。砂嵐みたいな音が耳に響いてくるんだけど。

 やめてよ。頭が痛い。やだ、早く止まって。


『成長限界に達しました。限界突破致しますか?』


 はぁ、はぁ。

 なんなの一体。この機械音声バグってるじゃん。

 普通に怖いんだけど。

 まぁ良いや。進化出来ないなら限界突破しますよ。


『限界突破を確認致しました。限界突破に入ります』

『限界突破が完了いたしました。ステータスの表記が変化いたしました。残り限界突破回数が1回になりました』


 え、えぇ? ちょ、ちょっと待って!

 早くない? ホントに限界突破したの?

 絶対嘘でしょ! ってか、ステータスの表記が変化ってなに!?

 不親切すぎるよ!

 機械音声は本格的にやばいし、エラーとかわけわかんない事言うし、やっぱりこの世界おかしいよ。

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