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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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77話 『無慈悲な一撃』

 最初に投げた剣よりも速く、浮遊状態での動きじゃ到底避けられない。

 だからこそ、私は浮遊を一旦解除し、地面へと落下した。

 その結果、私の頭を掠る程度に剣が通り抜け、天井へとそのまま突き刺さる。


 だがそんな事に戸惑いもせずに、スケルトンは瞬時に剣を手元へと手繰り寄せ、鎖を使って落ちる私へと剣を投げる。

 最早魔法を使う暇もないほどに、私は回避へと専念し、なんとか剣を躱すが、それでも体に傷は増えていった。


 しかし、それでも絶対に回避しなきゃいけない。

 なにせ、剣が突き刺さった場所は小規模のクレーターのようになっているのだから。


 どうする? どうする私!

 この状況じゃ勝つなんて不可能だ。

 そもそも私の魔法が殆ど効いてないし、スケルトンの鎧はまだ凹んだままで中身へとダメージが通るとは思えない。


 絶体絶命だ。

 けど、ここで迷ってる暇はない。

 現状良い点としてはスケルトンが盾を背中に背負ってくれてる事だ。

 つまり、正面からなら魔法が当てられるという事。


 ぐぬぬ。

 そうは言っても剣の飛んでくるスピードが厄介すぎる。

 これじゃ魔法を撃つ時間すらないよ。


 剣を避け、思考を重ね、策を考える。

 そんな事をしているうちにもスケルトンの剣は私の回避を予測してるのか、回避場所に放つ事が多くなった。


 そして、剣を避けて次の行動に移ろうとした瞬間、スケルトンは私のいる上空へと飛び上がった。

 それを見た私はすかさず浮遊を解いて地面へと降り立ち、眷属を一箇所へと集まるように召喚していく。


 直後、頭上から大盾を構えたスケルトンが地面へと急降下した。

 地響きが起き、土煙は舞い、地面には剣を突き刺すのとは違うほどのクレーターを作り上げる。


 私が眷属を召喚し、壁を作ったのとほぼ同時だった。

 大盾と眷属のぶつかる衝撃は一番下に避難している私の体にも響き、体が軋んでいくのが分かる。

 眷属が潰されていくのも時間の問題であり、私は作っておいた隙間を縫って這い出てから、もう一度浮遊で空へと逃げた。


 そのまま浮遊を発動した状態で、土煙が発生している場所へと魔法を数発放つ。

 だが、当たった気配もなく、代わりに私へと剣が迫った。


 避けきれないと察した私は瞬時に変態を解き、スライムへと切り替わる。

 浮遊魔法が使えなくなった事でか地面へと落下していく中で、スケルトンは待ってましたと言わんばかりに落下地点で拳を構える。


 私は咄嗟の判断で変身スキルを発動し、蛇へと変化してから体を捻り、拳を回避する。

 だが、それが失敗だった。


 私がするべきだったのは変身ではなく変態であり、悪魔状態で拳を防ぐべきだったのだ。

 今更変身スキルを解いて変態スキルを使うにはタイムラグが生じ、必ず隙が生まれてしまう。


 最早スライムの体でなんとか一撃を防がなければいけないという中、無慈悲にも拳ではなく大盾が私の頭上から迫り、私の全身を覆い隠す大盾に押し潰された。


 そして、抵抗すら出来なかった私の体は影も形もなくなった。

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