表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/161

69話 『う、動けないだと!?』

遅れちゃいました!

ごめんなさい!

 外で私の眷属と戦っていた蜂は私が生きて生還したのを確認するとそそくさと逃げていった。

 どうやら自分たちのリーダーが負けたことで自分たちに勝ち目がないことを悟ったのだろう。


 だが、それは私にとっても好都合だ。

 眷属達は殆ど消されていたし、蜂自体は結構な数が残っていた。

 大群で攻められたら少なくとも傷を負わせられるというリスクがあるからこそ、逃げてくれて助かるのだ。


 はぁ。やっぱり私のスキルで呼び出せる眷属達弱いなぁ。

 どうやったらあいつらも強くなるんだろ……。

 んー。

 うーん。

 無理だ。分からん!

 よし、諦めよう!

 あいつらは囮。そう考えて使うしかない!


 ただなぁ、やっぱりそう考えると仲間は欲しい気がする。

 魅了スキルは使い所を考えると安易に使えないからどうしようもないし、話が成立するモンスターも仲間になってくれそうなモンスターも現状存在しないからどうしようもないんだけどさ。


 むむむ。これは一人でなんとかするしかないか。

 出来ることならあのスケルトン並みに強いモンスターを魅了出来れば最高なんだけど、きっと骨とかには効かないよね。

 ま、それは試してみればいっか!

 スケルトンとは再戦する予定だし、その時に考えよう!


 さ、もう今日は天井の隅っこでスライムに寝よーっと。

 また明日蜂と戦うための英気を養わないとね!



 ーー戦っては休んで眠り、たまに休むことなく戦い、私は初めて蜂の巣を潰そうと思った日からずーっと蜂と戦い続けた。

 リーダー格の大きな蜂も何度か倒し、どんどん巣から出てくる蜂の数も減っていき、どれくらいの月日が経ったのか分からないが、今日という日に私の目の前に立っているのはたった4匹の蜂だけだった。


 そもそもとして、この4匹の蜂は私が部屋に入った時には出て来ていなかった。

 出て来たのは私が巣を燃やそうとしたその時だ。

 既に蜂の殆どを倒し、捕食してきた私が巣に近づいた時に一切蜂が出てこないから私は最後に燃やそうと考えた。


 だが、燃やすその瞬間に私は突如放たれた圧によって動けなくなったのだ。


 ん?

 んん!?

 なにこれ! 体が動かない!

 えっ? どうして?

 もしかして金縛り!?

 い、いやいや、この世界に金縛りなんてあるわけない。

 うーん、だとしたらスキルかな。

 もしかしてまだ巣には蜂が残っているとか?


 ーーっ!?

 あっぶな!

 今のって針だよね。

 私の顔を掠めたんだけど!

 動けない中で無理やり動いたから体が痛いし、ってか、それでも顔を少ししか動かさないから傷を負ったし、一体なんなの!?


 うっ、また動けない……。

 でも今度はどうして動けないのか分かるよ。

 ぐぬぬ。

 優雅に蜂の巣から出てきやがって。


 たった4匹の癖に生意気な! こんな奴ら私が動けるなら簡単に倒してやるのに!

 ーーひぃ!

 ちょ、待ってください! やめて! 嘘ですから! 針を撃たないで!

 死んじゃいますって!


 あ、待てよ?

 スライムに戻ったら動けるんじゃない?

 さっきから1匹の蜂がずーっと針を撃たないでこっちを見てるし、視線さえ合わせなければもしかして!


 やった! 上手くいった!

 あ、でも針が飛んできてるぅぅぅぅう!

 頑張れ私! スライムの体で避けろ! ここは一旦部屋の外に退却だ!


 ふぅ。

 なんとか逃げれた。

 体に針が何本も刺さってるけど大丈夫。痛くない。

 私強い子だから耐えれるもん。

 ステータスを見た感じ体力がごっそり減ってるけど、そんなの気にしない!

 もう新しい作戦を思いついたもんね!


 その名も()()()()()()()()

 ふっふっふ。

 私はもう既に蜂に変身出来るからね。これであの蜂達も私を同族だと思って見逃してくれる筈。

 さすが私!

 天才すぎる! よーし、早速行くぞー!


 と、いう訳で今の状況に至るというわけです。

 今の私は全集中で蜂の姿を維持しながら蜂達を見ている段階。

 奇跡的にまだ警戒されてるだけでバレてないからこうして観察出来てるけど、それも時間の問題かな?


 だって、私飛んでないもん! 飛び方とか分かんないし!


 だから、今のうちにあの厄介な動きを止めてくる攻撃をなんとかする作戦を考えないと!


 あ。

 あー、よし。

 死ぬかもしれないけどこの作戦で行こう。

 恐らく針を持ってない蜂は動きを止める役目を持ってて、見た目から考えて女王蜂だろうし、そいつを蜂の姿で近づいてスライムに戻って窒息死させる!


 窒息させてる途中で他の屈強な蜂とは思えない蜂に攻撃されるだろうけど、そこはスライムの耐性に賭けるしかない。

 大丈夫大丈夫。

 もう何回も死の淵を彷徨った私ならやれる!


 いざ! 勝負!


 うぎゃぁぁぁぁ!

 痛い痛い痛い!

 やめて! もう私のライフはゼロよ!

 そんなに針で刺されたり、口で噛み切られたら私の体が無くなっちゃうよ!


 ぐぬぬぅ。

 だがここで離れるわけにはいかない!

 折角女王蜂に張り付いたんだ! 私はやってみせる! やり遂げるぞ!



 はぁはぁはぁ。

 ようやく死んでくれた。

 張り付いて取り込んでるのに抵抗しやがって……。

 お陰でこっちは大ピンチだよ全く。


 ま、でもこうして女王蜂が消えて普通に動けるようになったなら後は変態して倒すだけ。

 多数に無勢だけど、蜂の巣という弱点が相手にはあるから私の勝利はほぼ確定!


 もはやモンスターと成り果てた私に罪悪感など一切ないから全滅させてやる!

 私の糧となりなさい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ