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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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68話 『ノロマの蜂』

 羽音が私の周囲に鳴り響いて、私の耳はもう使えない。

 さっきまでの蜂はここまで大きな羽音を鳴らしてこなかったし、恐らくこれがこの集団の狩りの仕方。

 だけど、私は耳なんて使えなくても大丈夫。いや、なんなら私も数で対抗してやる!


 いけ! 私の眷属たち!

 あの時のように簡単には消されるんじゃないぞ!


 影のように黒い眷属たちが蜂に対抗するために蝙蝠の姿となり、襲い掛かっている。

 相変わらず眷属の方が負けそうだが、これで少しは時間が稼げる筈だ。


 時間さえ稼げれば私のやることは一つ。

 相手の頭を潰すこと!

 てりゃ!

 やったー!

 これで私と蜂の一騎討ちだ!


『ファイヤーストーム』を使い、四方を炎の壁で囲んで私は宙を飛びながらこちらをジッと見ている蜂と対峙した。

 炎の壁によってどれくらいの時間援軍を回避出来るかは分からないけど、そもそも私は長い時間を掛けて戦うつもりはない。

 殺すなら素早く。

 まだ警戒してくれているのならそれを利用して殺すだけだ。


 まずは飛び回られると逃げられる可能性があるから、『ダークレイン』で動きを鈍らせる。

 この魔法は私にもよく効果が分からないけど、今まで何回か使ってみた感じでは酸のような雨と、当たった敵の動きを遅くする効果はあるはず。


 そして、四方を囲まれている蜂に逃げ場はなく、私のファイヤーストームはダークレインで消されるほど弱くはない。

 さぁ、卑怯なんて言うなよ。

 これが私の戦い方だ!


 降り注ぐ雨に当たり、警戒していた蜂は思わぬダメージと身を少しずつ溶かされるような痛み、そして、自らの動きが少しずつ遅くなっていくことを感じたのか、先程と同じように毒針を飛ばしてきた。

 それも、一本だけではなく連続で数本飛ばしてきたのだ。


 しかし、それを使ってくると予想していた私にとって直線上に飛んでくる毒針など避けるのは容易い。

 幾らロックオンして私を追尾してこようとも、地面に突き刺さるように動けば問題ないのだ。


 ただ、問題は私が回避に専念してしまうと蜂に注意を向けていられないということ。

 今はまだ元気な私だから大丈夫だけど、想定外に戦闘が長引けば当たってしまう。

 だからこそ、私はすぐに戦闘を終わらせないといけない。魔力を大量消費してでも。


 よし!

 針は全部消えた!

 こっからは私の番だ!

 もう一つの脅威は蜂が幾らでも毒針を撃てる場合だったが、針が消えた今、使ってこないということは1日に回数制限があるスキルか、インターバルがある。もしくは、魔法だとすれば魔力を結構使うのはず。


 もしも出し惜しみをしているのなら、私の勝ちは確定する。

 私を倒すのに全力を注がない時点で蜂の負けだ。

 なにせ、針を使って安心したのか知らないけど、既に蜂の動きは雨に濡れて遅くなっているのだから。


 よし。

 作戦成功!

 もうあの蜂はノロマのカタツムリだ。

 幸いにも蜂の大きさはそこら辺の蜂より大きいし、魔法で地上に叩き落とせばおしまい。



 ……ふぅ。

 疲れたぁ。

 魔力とかはあんまり消費してないけど針を避けるのに動きすぎて疲れた……。

 ひとまず私の魔法で作り出した炎の壁は時間で消えていったみたい。

 でも、この調子だと蜂を全滅させるのには時間が掛かりそうだし、とりあえず一旦休もうかな。

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