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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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53話 『蟹合戦』

 ふんふんふふーん。たっのしいなー!

 うへへへ。いやー、まさか浮遊魔法で浮いてればナマズも攻撃してこないなんてね、これだったら最初から飛んで行けば良かったよ。

 ま、そんな事考えちゃうけど、最初から飛んでたら今頃動かなくて死んでる可能性もあるけど……。

 ってなわけで、ナマズとの距離もだいぶ離れたし、もう狙われてないみたいだからそろそろ地上に降りようかな!


 飛んで浮かれていたのが油断。

 でも、その油断が命取り。


 マグマから勢いよく首の長いモンスターが現れ、私を飲み込む為に大きな口を開いている。

 完全に予想外。

 予測もしていなかったし、これは避けきれない。


 私を丸呑みするが如く口は閉じられていく。

 けど、その直後に私は氷魔法を発動し、大きな口へと突き刺す。

 その隙に全力で逃げ出すが、私を食べられなかったモンスターがマグマへと戻る衝撃によって、マグマが辺りへと巻き散らされ、それが私へと直撃した。


 相変わらず焼けるような熱さではあるが、ステータス的にはさほど減らない。

 だけど、そういう問題でもないのだ。


 そう、単純に私が嫌だ。

 痛いのは嫌だし、マグマに当たりたくもない。ましてや、浮遊魔法を使いすぎて動けなくなり、マグマに落ちるなんてもっての外だ。

 恐らくこの体だったらマグマに落ちたとしてもある程度は生きられるだろうけども、その認識を改めよう。

 落ちたら死ぬ。

 そんな風に思っておくべきだ。


 はぁー。ようやくマグマ地帯を抜けれたぁ。

 崩れそうなところは浮遊を使ったり、モンスターに狙われないように隠れたり……あーもう! やってられるか!


 ……あっ、でもこれいつもの事か。

 悪魔の体で強くなったから変に疲れたような気がしたけど、今思えばいつもの事じゃん!


 ま、でもとりあえず一休みしようかな。

 疲れた体でモンスターと戦える気がしない……し……。


 んん!?

 あれれー? おかしいぞー?

 私の目の前に巨大な蟹さんが居るなー。

 しかも周りを見渡せば結構居るなー。


 んー、よし! 逃げよーっと!


 はーい。ですよねー。逃してくれるわけないですよねー。

 いやー、参ったなぁ。囲まれちゃったよ。

 後ろには巨大な蟹さん。前にも蟹さん。左右には逃げれそうだけど、まだ私に気付いてない蟹さんの群れが居る。


 これは戦うしかなさそうだし、とりあえず魔法は出来るだけ温存しつつ、眷属を召喚していくとしますか!



 うーむ、ひとまず眷属を召喚出来たのは良いとしても、この先どうしようか。

 眷属達じゃ足止めは無理そうだし、かと言って一体を任せる程の力もなさそう。

 まだ蟹さんの力もよく分かってないし、真正面からぶつかりあうのは危険極まりない。

 早々に力量を確認しないと、他のモンスターがやってきちゃうかもだし、そうなれば絶体絶命だ。


 とはいえ、多分だけど蟹さんも私を警戒していると思う。

 未だ攻撃行動をしてこないことなんかを見るに、恐らくは悪魔そのものを知っているか、戦ったことがあると思って良い。

 どちらにせよ、警戒してくれているのなら運が良い。


 私が先手必勝で一体を片付けるか、蟹さんが私を仕留める為に攻撃に転じるのが先か。


 すぐに策を練る。

 目標は私の裏に居る蟹さん。

 けど、蟹さんも易々と狙わせてはくれない。

 正確に私を仕留める為に召喚された眷属を狙い撃つように泡のブレスを放ってくる。

 それも、カッターのように鋭いブレスと、当たれば爆発する泡を使い分けてだ。

 こうなると策を練る時間もなくなってきてしまう。

 眷属に時間稼ぎをさせるとか、相手の硬さを考えたりしてられない。

 出せる限りの全速力を出して、眷属が狙われているうちに近付く。


 あと何発魔法が放てるかはなんてまだ分かんないけど、相手が警戒しているうちに片付けるしかない。

 私が移動していることに気付いた蟹さんが私へと泡を放ってくる。

 ギリギリを躱していき、最短距離で詰めていくが、少なくとも爆発の影響を受けてダメージは蓄積されてしまう。

 まずい。

 この戦い方は危険すぎる。

 体力がなくなってしまえば問答無用で私の負けだ。


 だが、無茶な戦い方のおかげで後ろに居た蟹さんへと辿り着くことが出来た。

 後は、渾身の力を込めて魔法を放つだけだ。

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