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4話 痛みがあるとか聞いてません

 はい。高らかに宣言した私です。ごめんなさい。先に謝っておきます。そもそも私はこの世界でどうやったら強くなるとか分かりませんでした!


 なに言ってんだこいつ? みたいに思うでしょ。いやいやいや。ちょっと待ってよ。考えて欲しいんだけど、異世界だよ? 分かるわけないじゃん!

 今のところモンスターも捕食して食べてるけど強くなった実感とかないし、ホントもう無理って感じ。


 それに私が今歩いてる……這ってる場所が本当によく分からないんだよね。分かれ道とか沢山ありすぎて本当に迷っちゃう。


 おっと、目の前にモンスターだね。動き回ってお腹空いてたしご飯が欲しかった所だから丁度良い。

 けどあれは、蛇かな? 丸まって寝てるっぽいけど、もしかして今なら私勝てるんじゃないかな? 

 丸まってるおかげで私にすっぽり収まりそうだし、ここはそーっと近付いて……。


 って、そーっとなんて無理に決まってるじゃん! 私スライムだった! 粘液の音で普通にバレたし、なんならめっちゃ睨まれてるよ!

 あれ? でも襲ってこない? なんでだろ。私の方がきっと弱いと思うんだけど、もしかして私がスライムだから攻撃方法とかないのかな?


 うーん。確かに蛇って噛み付いたり締め上げたりする攻撃をする筈だから、私を倒す手段ってなさそうだよね。ってことはあれ? 私の勝ち確では!?


 よっしゃ! こうなったら普通に襲い掛かっちゃお! ラッキー! 良い獲物発見だー!


 ちょ、ちょっと待って! なんで逃げるの!? こちとら動き遅いんだぞ! 幾ら私がやる気になったからって逃げることないだろ! 戦えよ!


 はぁはぁ。

 よし。こうなったら変身してやる。ターゲットは今目の前を全速力で逃げてる蛇。こうなったら私の頭の良さを見せてやる!


 イメージ開始! えーっと、蛇をよく見て、っと。こんな感じかな。

 ほらほらカモン! 蛇さんよ! 私はあなたと同類よ!


 おっ? おっ、おっ? もしかしてこれ上手くいったんじゃない? 正直頭の良さとかいったけど、馬鹿丸出しみたいな作戦で本当に上手くいくとは。


 これは勝ったな。私を同類だと思って寄ってきてくれるなんて。馬鹿な奴め。群れるやつはこれだからダメなんだ。今日騙された自分を来世まで恨むといい!


 さーて、いっただきまーす!


 んー。なんていうか、味はない! そりゃそうだ。体の中に取り入れて溶かしちゃうからね。味とかなにもないわけよ! けど不思議とお腹はどんどん満たされていく!

 あー、ホントこの体無限にご飯食べれるんじゃないかなぁ。私より大きいモンスターも普通に食べれちゃいそうだし……って、痛っ!


 なになになに!? えっ、なにこれ! 蛇が対抗してるの!?

 やめてよ! 人が気持ちよくご飯食べてる時に抵抗しないで!

 くそっ、頭は最後に溶かそうと思ったのが間違いだった。あ、そういえばなんだけど。私って実は体の中の液体を操れる? というか、意図的に何処かしらの酸を強くして早く溶かしたり出来るんだよね。だからなんとなく最後に頭を溶かそうとしたんだけど、どうやら間違ったみたい。


 ぐぬぬぬ。まさか毒液を蛇が吐いてくるなんて。そんな事分かるわけないよ!

 あー、もう! ホントにやめてってば! 痛いって! ほら、私の体が少し紫に変色しちゃってるよ!


 良いよ! もう私怒ったからね! 頭を本気で溶かしちゃうから!


 ……ふぅ。やっと終わった。はぁ。なんていうかご飯を食べてたのに疲れちゃったよ。お腹はいっぱいだけど、初めてダメージ? 痛みを与えられてホントに最悪。

 でもこれから先ももっと酷い痛みとか味わうんだろうなぁ。潰されたりしたらどうなっちゃうだろ……。


 いやいやいや、なに考えてんの私! ネガティブな思考ダメ、絶対! こういう時こそポジティブに考えないと!

 それに、この洞窟っぽいところで立ち止まってたら今度は私が襲われちゃいそうだからね! 一刻も早く移動しないと!

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