46話 未知の場所
突然ですが、今は私はどこにいるでしょう?
はい! 正解は溶岩が辺りに撒き散らされているやばい場所でしたー!
ってなんでー!?
おかしいでしょ!
私水の中を泳いでたんだよ!?
どうやったらここに辿り着くんだよ!
……あ、アレか。調子乗って下に進み続けてたら横穴があったし、お宝とかあるかもーって思って入っちゃったのが原因か。
まさかまさかの進み続けてたら途中から水もなくなっていったしね。
熱さで蒸発したのかは知らないけど、そんな水もなくなった道を進み続けたらこんな状況になっちゃったわけだ。
ホントさ、水の中にこんな下へと続く隠し通路みたいなの作らないでよ!
嫌がらせかよ!
いやまぁ水位が減ってきたり、明らかにおかしいって思ったタイミングで引き返さなかった私も私だけどさ。
それでも私は悪くないと思う! だってこんな道あったら誰でも入るもん絶対!
だから私悪くない!
って、誰に愚痴ってんだ私はよ。
はぁ。とりあえず熱さに耐えれなさそうだったし変態も解いてスライムに戻ってるけどさー、どうしようかなこれ。
結構下の階層に来ちゃったっぽいし、楽園に戻りたいけど、いざ水に戻って変な所に出ても困るし……。
うーん。
ここまで来ちゃったしスライムなら熱さとか殆ど感じないから、進んでみるかぁ。
どんだけ下の階層なのか分かんないし、絶対モンスターに見つからないようにしないとね。
あわわわっ。
どうしようどうしよう。
目の前にモンスターがいるよぉ。
バレてないよねこれ。バレてないよね?
うわっ。こっち見てやがる。
……待てよ? でもあれはゴブリンだよね?
上の階層にも居たやつだし、実はそんなに強くないんじゃ……?
い、いやいやいや。戦うなんて思考を捨てるんだ私!
あいつの装備を見てみろ! 上の階層とは大違いだぞ!
しっかりとした防具にボロボロじゃない剣と盾を持ってるぞ!
あーもう! くそっ! あいつ仲間を呼ぼうとしてやがる!
仲間なんて呼ばれたら絶対に勝ち目ないし、仕留めるしかない!
いくぞ!
コソコソ、コソコソコソ。
ひっそりと近づいてと……あれ? なんかあいつ気付いてない?
もしかして私の擬態効果ないのかな。
ここが溶岩地帯だから?
って、ちょっと待った! 考えてる暇はない!
擬態に気づかれていようがなんだろうが仲間呼ばれてるんだから仕留めないと!
なりふり構わず無防備な頭に尻尾をぶつけろ!
よしっ!
やっぱり頭だったら吹き飛ばせる!
さすがに頭が取れて生きてるとは思えないし、とりあえず呼ばれたゴブリンの仲間が来る前に逃げる!
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はぁはぁはぁ。
あの時ゴブリンと戦ってから今何日経ったんだろ。
さすがにモンスターを見つけるたびに逃げ回ってるから精神的にも疲れてきちゃったよ……。
それに段々とお腹空いてきたような気がするし、そろそろモンスターを倒して食べないと。
でも、さすがに今のところ見てきたモンスターの中で私が食べれそうな奴はいないし、どうしようこれ。
やっぱりあの時みたいに単独行動してるゴブリンを狙ったほうがいいのかな?
……ん?
なんか凄い音が聞こえてくるような……?
ちょっと遠いけどモンスター同士の争いかな?
でも鉄と鉄のぶつかり合う音みたいだし、ずっと前に見た冒険者ってか、人間がここまで来たとか?
ちょっと気になるかも。
見てきちゃおっかな!
んーと、確かこの辺だった気が……おっ、いたいた。
ってモンスターじゃん!
剣を二本持ってる人型の骨と、腕が6本ある人形が戦ってるね。
見たこともないくらい激しい打ち合いしてるし、ここは混ざんない方が最善かな。
幸い戦いに集中しててこっちには気付いてないし、今のうちに遠くまで逃げちゃおーっと。
うん。
だいぶ遠くまで来たしもう安全かな。
あーあ、結局逃げてる最中にも食べれそうなものは見つからなかったし、そろそろ変態を解いてスライムに戻るしかないかなぁ……。




