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3話 見た目はカマキリ中身はスライム!

 探索かぁ……どこ行こうかな。いくらカマキリの姿でも、私自体は弱いし、足に力が入らなくなると私の体がどんどん分解されてしまうから遠くには行けないんだよね。

 ……待てよ? ってことは、まず足の力を鍛えることから始めればいいか。そのためには歩く! とりあえずひたすら歩けば鍛えれるはず!


 あうぅぅぅ……歩くの疲れた……力入れながらだから疲れるし、魔物はそこら辺にいっぱい居るし……その度に隠れるの辛いしなぁ……。


 あ、カマキリの魔物発見! 今の私も同じ姿だし大丈夫だよね! 大丈夫だよね?


 あれれ? なんであのカマキリ警戒してるんだろー。私も同じ姿だよ……ね。あはは。私の腕いつの間にかスライムに戻ってるやん。時間経過でも戻ってくシステムなのかい。こりゃやばいですね。


 よし。まだ足は戻ってない。これなら逃げ切れるはず。うん。逃げよう。


 うわぁぁぁぁぁぁ!!!

 なんだあいつ! 飛ぶの!? もしかして飛んじゃうの!? あ、カマキリだから飛べるのか。うん。そう考えると納得するわ。

 って、それどころじゃねぇ!逃げなきゃ! ぐぬぬ。足が痛い。でも力入れないと上手く走れないし……


 あっ。スライムの粘着液使えば良いじゃん。やば。私の頭脳神すぎる。こんなの考えつくスライム私くらいでしょ。

 ふふふ。あのカマキリも、もう終わりだ。


 きっとカマキリから見れば私は走るの辞めて諦めた風に見えるだろう。だが、私は違う。今からノロノロ歩くのだよ。そうすれば粘着液によってあのカマキリの動きを封じることが出来る。


 ベチャベチャ……ドチャ……


 うわぁ。私の歩く音キモ。カマキリの足なのにこんなキモイ音出すとかなんかやばいなぁ。まるで足がずっと潰されてる感じだよ。

 でも、この作戦は成功だね。あのカマキリ。まんまと私の罠に嵌って粘着液で動けなくなってるし、ふふふふふ!!私の勝ちだ!


 さてと、こいつの事はどうしてやろうか。私を怖がらせた罪を償わせなければ。溶かして食ってやろうかな。やはり、弱肉強食の世界で罪を償う方法なら死しかないよね。


 んじゃ、いっただっきまーす!


 グチャグチャ……ベチャベチャ……


 ま、食べると言ってもただ覆いかぶさって溶けるの待つだけなんだけどね。でも、なんで私一切の躊躇なく虫の魔物食べれたんだろ。スライムになって変わったのかな?

 まぁでも、こういうのに抵抗ない方が生きやすいからいっか!


 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


 ふぅ。満腹満腹。自分から食べようとして取り込むとお腹いっぱいになるのか。まぁ現に今の私の体はデブいし。スライムだから大きさなんて関係ないよね。


 骨はどうなったかだって?

 何を言っているんだ? 私はスライムだぞ? 体内に入れたものを全て溶かすに決まってるだろ。骨なんてそりゃもう、溶け溶けですよ。


 でもこの体、完全にダイエット必須だよなぁ。あっ、人間の時ならね。今の私は大丈夫だよ? 本当だよ?

 スライムにダイエットとか求めないでね? だってスレンダーなスライムとかキモイでしょ?


 ま、それは置いといて、とりあえず私の食は満たされたんだよね。後は、衣と住か。衣はまぁ要らないとして、住むところは大事だよね。

 スライムは着るものないし、ってか、着れないし。絶対に服とか溶けるからね。


 まぁとにかく、私に今必要なのは住むところ。少し歩いた感じで分かるくらい今私がいるところは広い。だって、絶対に前に進んでる気がしないし、完全に迷ってる気がする。

 だから、私には住むところが必要。まぁ、適度に食べ物も欲しいけど。

 スライムだから勉強とかしなくていいのが良いよね。だって、住むところ見つけたらニート生活出来るんですよ? 一生のニート生活とか最高すぎる。


 ニート生活はつまらないって?

 ははは。

 何を言ってるんだか。何もしなくても暮らせるとか最高すぎるでしょ。あ、でも、私は食べ物食べるために戦うわけだからニートじゃないじゃん。


 がはっ!


 なんだろう。一瞬で夢が潰れた気がする。でも、とりあえず本気で私でも住める安全な場所探さないとなぁ……。


 さてと、ノロノロ動いて探すかな。敵見つけたらまたカマキリに変化すればいいし。

 でも、こんな私でも生きれるのかな? 私の同胞であるスライムは生まれた直後に結構殺されたっぽいし。人間に。

 ………………

 ってことは、私くそ雑魚生物ってこと? いやでも、私の数倍以上デカいスライムはなんかいつの間にか居なくなってたけど迫力あって強そうだったし、うん、きっと私もでかくなれば強いはず。

 目指すは巨大スライム! って、巨大スライムだとちょっと狙われそうで怖いな。まぁでもひとまずは私に敵対してくる奴を片っ端から食べてやる。そうすればなんとかなるでしょ!


 ふっふっふ。

 私のような雑魚でも強くなれることを証明してやろう。序盤で殺されるスライムだなんてもう言わせない。ここで私は高らかに宣言しよう!


 誰にも負けないスライムになる!ってね。

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