24話 進化した私を確認します!
……はっ!
私気絶してた!?
大丈夫だよね? 襲われたりしてないよね?
よし。問題なさそう。
でも、気絶する前? 後? に聞こえた機械音声によると、どうやらコピースライムの方もこれ以上の進化はないみたいだね。
まぁそこは良いとして、やっぱりスライムが弱い生物だから進化が少ないのかな?
それとも環境とか戦い方、ステータスの上げ方なんかで変わったりするかな?
うーむ。分からない。
まぁこんな事考えたって今更遅いわけだし、恐らくは私は普通のスライムが選べない選択肢を見つけて進化した、変異種になると思うから進化した事に悔いはない。
あ、勿論他のスライムが知能を持ってて変身も普通に使えてたりしたら、私は全く珍しい存在じゃなくなる訳なんだけどね。
けど、私の他にもスライム自体は何匹も見てきたし、そいつらは全員変身を使ってたり、知能を持ってるようには見えなかったから私は私自身を珍しい存在として認識して大丈夫だと思う。
ま、とにかく今は進化したことを素直に喜ばないと!
少し遅くなったけど、ひゃっはー!
新たなる私の誕生だー!
っと、ひとしきり喜んだ所でステータス確認いってみよう!
ステータス
名前:霧香
種族:コピースライム『希少種』
HP:215
スキル:変身 物理攻撃激減 再生 捕食 変態
ん?
あれれれ?
なにこのスキル。
い、いや、まずはその前に色々確認しよう。
体力は結構増えてるね。まぁこの数値が強いか弱いかはさておいて、これだけでも進化した価値はある。
それと、種族は進化先のコピースライム。希少種って付いてるってことは、私と同じ種族はこの世界に殆ど居ないと思っていい。
それに、そもそもとして確かコピースライムも最終進化形態の筈だし、私が普通のスライムならば順当にスライムクイーンを目指すと思う。
あーでも、スライムに本来は性別なんてなさそうだし、実際はスライムキングとかにもなるのかな?
んー。分かんないや。
ってか、多分性別はないでしょ!
私こと中身が女だからスライムクイーンという選択肢があっただけ!
よし、そう思っとこう!
……ふぅ。
さてと、そろそろ現実を見てスキルを確認しますか。
私の記憶が正しければ確かに気絶? する前に機械音声でスキル取得とか言ってたし、この『変態』とかいうスキルをコピースライムになって取得したのは間違いない。
たださ、なにこの変態って!
意味わかんないんだけど!
いや、ごめん。意味は分かるし、多分スキル効果的なのも大体予想はつく。
だけど、なんていうかさ、変態ってちょっと嫌かも……。
いやさ、意味が違うってのは分かってるよ!
さっきも言ったけど、こう虫とかの変態だろうなっていうのは分かってる。
だけど、人間というか、私の中での変態って言ったら真っ先に浮かぶのは違う意味なんだよ!
だからこのスキルがある時点でなんかで私が変態って決めつけられたみたいで嫌だ!
だって私恋愛もしてないし、なんなら男と触れ合った経験なんて殆どないんだからね!?
……うーん……はぁ。
うん。仕方ないか。
覚えちゃったスキルだし、折角の新しいスキルなんだからしっかりと活用しないとね。
だけど、さすがにここじゃ試せないかな。
まずは手頃な岩裏とか見つけないと!
よーし、なんか新スキルを試せるって考えたら楽しみに覚えてきた!
モンスターに襲われないように隠れながら進むぞー!




