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1話 私に特別な力がっ!?

さてと、とりあえず私がスライムというのは間違いないと思う。考えることは出来るけども、喋れないし、手を動かそうとしても、手がないから無理だし、足を動かそうとしたら、なんかキモイ音出しながらノロノロ動くし。


 でもまぁ、なんだろう。定番である人間が良かったけど、なんていうか虫系の魔物とかじゃなくて良かった気がする。ただでさえ虫が嫌いなのに、虫に転生なんてしたら完全に発狂してる自信がある。まぁどうせすぐに慣れて、普通に楽しむ気がしなくもないけど。


 そんな感じで考えながら、体を動かしていると、近くから水の弾くような音が聞こえてきた。


 辺りを見渡し……って、これ便利じゃない? 普通、人間なら前とかしか見えなくて、死角があるけどさ、今の私スライムだから全方向見れるんだよね。やばっ! スライム凄っ!


 ーーおっ!あんな所に水が流れてるじゃん! まさかこんな所に水があるなんて! ……うん。まぁ、普通に私が生まれた所から、数十mしか離れてないんですけどね。数十分は動いたのに、それしか動けないとか何気にやばいけどさ。


 さて、この水だけど、どうしようか。

 いっそのこと飛び込んでみる?

 いやいやいや、普通に死んだら怖いし。ってか、スライムだから、水と同化したりしたら怖いしなぁ。

 かと言って、飛び越えるとか無理だし。まず、ジャンプ出来ないからね。


「お、スライムはっけーん! おいお前ら! ここでちょっとスライム狩りするぞ!」


 何やら、おかしな音が聞こえる。明らかに、さっきまで聞いた音とは違う。なんか、人間の声みたいなのが聞こえてくるし。


 よし、そーっと見てみよう。全方向見れる私からすれば、気付かれずに見ることくらい……。

 はい、無理でしたー! そりゃそうだわ。だって、私のすぐ近くに居るんだもん。


 デカすぎですよ。何あれ、人間? いや、というか私が小さいだけか。しかも、 辺りに私以外のスライム居ないけど、なに? こいつらが全て殺した感じなの? そんなにスライムって弱いの? しかも最初にいた巨大スライムもいつの間にか居ないし……。


 ……というか、これ、さっきより本格的にヤバイ気がする。前には死ぬかもしれない水だし。後ろには、完全に死ぬ人間っぽい人たちの群れ。

 はぁ、考えても仕方ないよね。選択肢的に一つしかないよね。まだ私は死にたくないし、生きれそうな道を選ぶしかない。

 という事で、うん。私は飛び込む以外選択肢がなかったようだ。


 ふぅふぅ。よし。息を整えて、いざ!

 って、体が動くの遅くて、飛び込めないとかある? あれ? でも、人間もまだ私に気付いてない感じかな? これなら余裕ですわー。


 ほんと、って、ちょっ、待っ、きゃぁぁぁぁぁ!!


 我ながら叫んでしまった。と言っても、声は出てないわけだが。意識で叫んだ的なね。うん。それよりも、飛び込むことは無理でも、足を滑らせたかのように、粘液で滑り、水へと溶け込んでしまうとかある?

だって、入水する時の音なんて、


 ヌルンッ!

 って感じだからね? 我ながら、ちょっとキモイとか思っちゃったし……。


 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


 まぁでも、水の中も普通に悪くないね。なんか、水の全てが私の物みたいな感覚になるし、強くなった気になるよ。


 って言っても、水の中に居た時間は数分だし、既に地面のある所に流されて辿り着いちゃったから、水の中の生活なんて既に終わってたんだよね。しいていえば、水が体内に侵入して膨らんだ私が居るだけ。


 まぁ、お腹が空いてた気がするし、水を飲むことによってお腹いっぱいになったから良いとするか。今の私は完全にデブだけど……。


 おっと、それよりも、水の中で考えていたことをやってみないと!

 ええっと、スライムだから、きっと、身体の造形が出来るはず……というか、そう願いたい。


 でもどうやるんだろ。うーん。まずは、上に高く伸びて、って、伸びないし。無理だし。


 はぁ。結局、スライムはスライムってことなのかぁ……

 ん? あれは、私と違う魔物かな? なんか、虫っぽいけど……。


 げっ!こっち向いたし!キモッ! カマキリじゃん!完全に巨大なカマキリじゃん!


 逃げないと!!


「スキル 【???】を使用しますか? 」

『YES』 『NO』


 なになになに!? 突然頭にアナウンスが響いてきたんだけど!スキルってなに!? これが私の異世界転生の特典的な感じなの!? もう訳わかんない!とりあえず使ってみれば良いよね! 今は危機的状況だし!


  「【???】を利用します。今回は初のスキルということで音声を流しましたが、次回からはこの音声は出ません。自分の頭で判断し、スキルを利用してください。頭の中でイメージすれば発動出来ます」


 音声はプツンっと切れ、訳分からない状況のまま私のスキルは発動した。ーーと思いたい。


 それよりも、とりあえず走んなきゃ! すぐ側にあのカマキリが居るし!


 ……ん? あれ? なんか、私の足速くなってない?

 って! 凄っ! よく見ると私の足が細くなってるだと!?しかも、よくよく見ると目の前にいるあのカマキリと……うわぁぁぁ!!


 やっぱり私虫になってるじゃん! 嫌ぁぁぁぁ! ってそれどころじゃない! あいつが居るなら逃げないと!


 んんん? あれ? あいつ、どっかいったのかな? 私が同じ姿だから敵に見えなくなった感じか。ふむ。なるほど!


 良し!とりあえずこれはこれで良いとして、今はスライムに戻り……って、戻れなくね!? 何あのスキル。戻れないとかポンコツかな?


 あ、でも、なんかイメージすると戻れるとかなんとか言ってた気が……。

 よし。スライムをイメージしてみるか。


 ん? おおお!? 何となく、戻れた気がするぞ?

 周りを見渡しっと、よし。私の体は水色で、粘液たっぷり。完全に戻れてるな。完璧すぎる。


 それにしても、このスキルはなんなんだろ。相手を見てスキルを使えばそいつと同じ形になれるのかな?

多分、さっきの効果から見て、自分の体が変化するのは分かるんだけど、発動時間とかあるのかな? 再発動までの時間とか。


 ま、とにかく今は、色々調べないとだよね! 幸いにも時間はあるし、調べ放題だ! 今日は寝ないで頑張るぞっ!

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