14話 私、戦います!
さぁ戦いだ。
戦の火蓋はきられた! 戦うしかない!
それしか私にはない!
もはやお互いに睨み合っている。天井に張り付いたり出来るスライムの奇襲が今や無意味だ。
でも、どこにでも張り付ける能力は今この場でも役に立つ。
さて、私の考えは纏まった。作戦もあるし、睨み合うのも疲れた。
まずは手始めにカマキリになって威嚇するとしよう。
大きく手を振り上げて、私の体を大きく見せてからの威嚇!
ガァァァァア!
うへぇ。
ちくしょう。なんだよその声!
怖いじゃん! やめてよね全く!
うわ! 対峙してよく見たら熊さんの爪長!
ってか、威嚇してから間髪入れずに長い爪を構えて突進してくるとかないでしょ!
うおっ! 危な!
ふぅ。間一髪だった。カマキリのままだったら即死だったね。
地面は抉れてるし、当たったら絶対にやばい。
いくら物理耐性があっても、爪って多分この世界だと物理っぽくないし、斬撃? 扱いなのかな? になりそうだからくらったら問答無用で切り裂かれる。
というかこいつの爪どうなってんの!?
地面を抉ってるのに折れてないじゃん! 爪長いのに!
うわぁぁぁぁ!
そんな事考える場合じゃないって!
ってか、作戦はなんだったけ! 忘れちゃったよ!
あんな攻撃をされちゃ覚えてるもんも怖くて忘れちゃうわ!
くそぉ。こうなったら作戦なんて関係ない!
私の得意な技で特攻あるのみ!
行くぞ! 天井からの頭目掛けてダイブ!
やった!
上手くいった!
幸い蛇に変身してスムーズに熊さんの頭上を取れたからかもしれないけど、まさかこんなにも上手くいくなんて!
もしかして私戦いの天才なのでは!?
って、うおおお!
引き剥がすのはやめて!
爪が、爪がぁぁぁ!!
で、でもここで諦めたらってか、引き剥がされたら十中八九死ぬ!
諦めないぞ!
私が剥がされるのが先か、お前が窒息するのが先か勝負だ!
……ふぅ。
やっぱ私って天才だ。
まさか本当に勝っちゃうなんてね。
さーて、あとは熊さんを徐々に飲み込むだけ。他にモンスターも来てないし、美味しく頂いちゃおうかな。
ふぇ?
あれれ?
折角ステータスがアップ出来そうなモンスターを倒して窮地を脱したのに、なんでこんな時に限って地震が起きてるの?
ってか、ここ大丈夫だよね?
揺れ強いけど……。
うわぁぁぁぁ!
最悪だぁぁぁぁあ!
くっそ、さっさと逃げれば良かったぁぁぁあ!




