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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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104話 『嫌われ者の私?』

 中々に頭の良い冒険者が街の行き方や、街の中での生き方、それに加えて、私への警告をしてくれた。

 なぜ警告をしてきたのかについてはおおよそ理解出来てしまう。

 即ち、私をモンスターであると疑っているからだ。

 街を教え、感謝を示しながらも私をある程度疑っている。勿論、警告をしたという事は万が一に備えてだろう。

 私がなにもしなければこいつらも何もしないという事なのかもしれない。


 ……まぁ、どっちにしても街への行き方をしてくれたのには感謝だ。

 ただ……私は東西南北が分かりません!

 いや、おおよそは分かるんだよ? でもさー、そんな「この場所から南西に向かって、その後北に進み、東に見える橋を渡れば街が見えます」とか言われても難しいって!

 ぐぬぬ、こうなったら付いてきてもらおう!

 どうせこいつらも街に向かうんだろうし、私をモンスターって疑ってても一緒に来てくれるよね?


「街に一緒に来てほしい」


 念のため、そう念のためにも私は表情を初めて変えた。常に無表情で話していたけど、今回ばかりは違う。

 私がお願いする立場なのだ。

 だから、嫌々ながら私は首を傾げながら手を合わせた。表情に関しては困り顔だ。


「うっ……ぐっ……ちょ、ちょっと待っててくれ。話をしてくる!」


 ん?

 あれ? なんか避けられた?

 あちゃー、やっぱり私の顔はダメだったかぁ。

 いや別にそんなに自分の顔に自信があるわけじゃないけどさ、ここまであからさまだと傷付いちゃうかも……。

 それともアレかな? 困り顔ができてなかったかな? この世界で、というか地球でもそんなに表情を変えてこなかったし、自分の顔なんてそもそも見ないからなぁ。

 ……はぁ。まぁ避けられてしまった以上、私に表情を変えるのは向いてないだろうし、これからは無表情を極めるかな。

 あーあ、無表情のままでいれば良かった。


「ーー済まない。話し合った結果、君と一緒に向かう事は出来ない。私個人としては問題ないが、仲間達の意見だと、その、アレだ、怪しいから難しいとの事だ。本当に申し訳ない」

「大丈夫。一人で行くから」


 自分の顔で避けられた事にショックを受けている時に、冒険者達の話が終わったらしく、結果的に私は断られてしまった。

 あー、もう! これじゃさすがにこれ以上のお願いは出来ないし、結局の所私は一人で行くしかないじゃん!

 ってか、怪しいとか言ってるけど濁してる時点でもう分かってるよ!

 私を仲間だと思われたくないとか、他の人に怪しまれたくないって事でしょ!?

 ふーんだ。もう良いもんね。


「本当に済まない。許してくれ」


 分かった分かった。君が良いやつなのは分かったよ。それと同時に君はそういう奴ってことも理解したからもうどうでも良いよ。

 早くどっか行ってーーあ、私がどっか行けばいいのか。


 私がいる限り動きそうにない冒険者を横目に、私はトボトボと一人で森へと姿を消した。


 そして、少しの時間が経った時、遂に冒険者は動き始めた。

 あ、ちなみに私はずーっと茂みで隠れて冒険者を見てましたよ。

 だって、街まで付いて行った方が安全かつ楽に辿り着けるじゃん?


 ただ、一つ問題が起きた。

 それは、今尚上がり続けている周囲の温度だ。

 そう、つまり冒険者達はゴブリンの集落に火を付けはじめたのだ。

 当然、ゴブリンの集落内を漁っていない私は、急いで漁りはじめた。

 武器や防具は要らないとして、お金や宝石はなんとしても入手しなければならない。

 あるかどうかは分からないけれど、きっと街に行った時にあれば役に立つ筈だと思い、私は集落を駆け回ったのだ。


 そして、お金はないものの、少しの宝石を入手した時に私は一つの問題に気付いてしまった。


 あれ? ここ森の中じゃね?

 うんうん。どこを見渡しても森だね。

 それじゃあここで火を使ったらどうなっちゃうんだろう。


 ……燃え広がるに決まってるでしょーが!

 どうすんのこれ! 『ゴブリンの残党を残さない為』だとかなんとか知らないけどさ、いや、確かにそれは正しいのかもしれないけどさ、場所を考えてよ!


 あー、でも流石にこの火を消せる人がいるから火を使ったのかな?

 冒険者だしあり得そうだよね。


 ……あのー、本当に大丈夫ですよね?

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