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器用貧乏なスライムは異世界で自由奔放に生きていく?  作者: ねぎとろ


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100話 『私、会話出来てる?』

 ジリジリと武器を手に持ちながら近付く私。

 表情がどうなっているのかは確認しようがないけれど、多分強張っているか、真顔になっていると思う。

 でもこれは仕方ない。

 だって、怖がられてるんだもん!

 誰だって怖がられてる人に近付く時は不安で表情なんて作れないよ!

 ……いや、私だけかなこれ。


 ま、まぁ良いや。それよりも、今はモンスターじゃなくて人間っていうのをアピールしないと!


「ち、近付かないで!」

「やめて! もう痛めつけられるのは嫌なの!」

「ゴブリンを殺し尽くしたモンスターか。お前に私は勝てないだろう。だが! 他の者を殺すなら私だけにしろ! 殺すのは一人で充分だろう!」

「いえ、殺すなら私だけにしなさい! 私は自分の命なんて惜しくないわ! だから他の者を助けてあげて! 貴方、人間に化けれるって事は知能があるんでしょ!?」


 あー、これはまずいよ。まずすぎる展開だよ。

 もう完全に私悪役のモンスターじゃん。

 どうすんのさ、これこっから信頼取り戻せる?

 いやー、無理でしょ。

 なんか数人は他を庇いながら自分を殺せとか言ってくるし、他は他でそれに甘んじてるのか身を隠そうとしてるし、戦おうって気はないのかなぁ。

 そうやって生贄になろうとしたりさ、簡単に死のうとするのは良くないよ。

 これじゃ助けた私が馬鹿みたいじゃん。

 ってか、どうせじゃ今まで死に物狂いで生き残った私みたいに意地汚く生き延びようとして欲しいんだけど。


 あーあ、なんか嫌な気分になったし、いっそのこと殺せとか言ったやつを殺しちゃおうかな。

 そしてその後に助ければ約束は守った事になるし、万事解決なんだけど、それはそれで後々の私に響きそうな気もしちゃう。

 という訳で、これは最終手段に取っておこう。

 って言っても、一人殺すなら全員殺して何も無かった事にするけどね。


 さてと、とりあえず人間達は私の手に持ってる武器に視線が向いてるみたいだし、敵意はない事を示すところからスタートかな。


「あ、あー、あー。良し。私は貴方達を殺すつもりはないです」

「嘘をつかないで! 私たちは騙されないわ!」

「モンスターの言葉なんて信用出来るわけないじゃない!」


 ダメだこりゃ。最初っから全否定ですか、そうですか。

 武器も捨てて手を上げてまで敵意がない事を示してるのに……あっ! そうだ! 私がモンスターに変化出来るって嘘をつけば良いじゃん!

 そもそも、そんなスキルが人間たちにあるのか分かんないけど、実際にやってみせればもしかしたら対応が変わるかも!

 最悪レアスキルとかなんとか言っとけば大丈夫だろうし!


「私は人間からモンスターになれるスキルを持ってる。だから、さっきまでスライムに変化して戦ってたの」

「それは、確かにモンスターに変化出来るスキルは存在する。けど、それが嘘か本当かの証明が出来なければ信じられないわ」


 おっ? なんだなんだ? 急に対応が少し変わったぞ?

 やっぱりこいつらもモンスターに変化した人間の可能性があると思ってたって事か?

 いや、どっちにしてもこれは運が良い。

 そういうスキルがあるらしいし、喋れてるからより人間っぽいし、これは頑張れば挽回できるんじゃない!?


「それじゃ今からモンスターに変化します。それで証明って事で良いですか?」

「そうね。一応それでスキルがある事は証明出来るわ。ただし、それで信用を得られるとは思わないで」


 えっ、ちょっと待って。

 なんでこいつ助けられた分際で上から目線なの?

 意味分かんないんだけど……。

 もしかしなくてもこの世界の人達って皆こんな性格してるのかなぁ?


「何してるのかしら? 変化するんじゃないの?」

「あーはいはい。今しますよーっと」


 ったく、ちょっとくらい考え事をしても良いじゃんか!

 せっかちな人は嫌われるぞ!

 ……あれ? 私どのモンスターに変身すれば良いんだろ。

 多分見られてたのはスライムだし、スライムで良いよね? 大丈夫だよね?

 えーい! 気にしたら負け! 変身解除でスライムに戻ってしまえ!

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