表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/50

第三十七話 『ロリ魔術師』

 「悪いが俺は、君たちが呼びたかったルシファーとかじゃない! 生徒会副会長の小島竜だ!」


 俺は一思いに叫ぶと、黒魔術部の部員たちはざわざわと戸惑うそぶりを見せた。


 「おお、なんということだ。ルシファー様は急に現世に召喚されたことで、戸惑っていらっしゃる」


 違うわ! なにこいつら? 黒魔術に興味があるやつを集めたんじゃなくて、人の話を聞かないやつらを集めたんじゃないのか?


 「頼むから俺の話を聞いてくれ。俺は黒魔術部の視察に来たんだけど、その理由を聞きそびれたんだ。会長から何か聞いてないか?」


 「そのことならサタン殿から話は聞いてるよ! なんか私達がここを使ってる理由を知るため、とか言ってた気がする!」


 先ほどの幼い声の女の子が部長なのか、一人前に進み出て答えてくれる。声だけではなく、見た目も幼い。ってか会長はいつの間にサタンとして召喚されたのだろう? このこと知ってるのかな……


 「そうか、ロリ魔術師。それで会長はなんて言ってたんだ?」


 「ロ…ロリ魔術師? 貴様、いつか呪い殺してやるから覚悟しておけ!」


 人のことを勝手にルシファーとか言っておいて、自分は変なふうに呼ばれたら怒るのか。理不尽なやつだな。まあでも、大悪魔を召喚するのに、ハチミツを一個しか供えないやつの呪いなんて怖くない。俺はひらひらと手を振ると、視察の理由を説明するよう促した。


 「もともとは私たちも小さな空き教室で活動してたんだけど、こういう儀式をやるのにはちょっと手狭で……」


 いや、そもそも学校で悪魔召喚の儀式とかやろうとすること自体おかしいだろ! 本当はいろいろと突っ込みたかったが、話が進まないのでぐっとこらえる。


 「そしたらね、ある時呪術を活動の一環として試してみることになったの。それでいざその呪術をかけようってことになった時に、術をかける対象の条件を満たしてるのがこの旧体育館だけで……」


 「はい、一旦ストーップ! そこの黒魔術部、こっちに来なさーい」


 やっぱり耐えられなかった! 我慢の限界をあっけなく超えた俺は、黒魔術部の部員を検問を行う警察官のごとく止めにかかる。


 「呪術? 今その呪術をこの旧体育館にかけたって言ったか?」


 俺は逃げ出す準備を整えながら、尋ねる。そうだ、梓は……ってもう外にいるじゃないか!


 梓は心配そうに外から中を覗き込んでいた。


 「ああ、それなら大丈夫だよ! かけたって言っても弱いものだし、かかったのはその時旧体育館にいたバスケ部の人たちだから」


 うわあ、真面目に練習してただけなのにバスケ部かわいそう……


 「なるほどな。それでここで練習できなくなったバスケ部が移動して、空いた旧体育館を君たち黒魔術部が使ってると」


 「そういうこと! あと……」


 ん? まだ何かあるのだろうか?


 「私たちのせいだと思うんだけど、バスケ部が旧体育館を離れてから急に弱くなっちゃったみたいで……何とかならない?」


 「分かった」


 俺がすぐに返事を返すと、ロリ魔術師の顔がぱあっと輝く。だけど俺の言葉はまだ終わりじゃない。


 「今度筋肉強化剤を調合して渡しておく」

 

 「ドーピングはできれば勘弁してあげてほしいな……」


 あれ? 単純なやつかと思ったら、わがままなやつだな。仕方ない。


 「それは少し相談に乗るぐらいでいいのか?」


 俺の提案にツルペタ魔術師は、首ふり人形のようにコクコクと頷く。


 「ありがとう、本当に助かるよ!」


 「了解。それじゃ俺たちはこれで」


 ぬりかべ魔術師に挨拶すると、俺と梓は旧体育館を後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ