第二十四話 『会長大丈夫?』
部活動仕分けは途中、会長のおかしな所が判明したりと紆余曲折あったが、ラスト一枚まで進んでいた。俺はそのラスト一枚に目を通しながら、会長に尋ねる。
梓は途中から生徒会室のお菓子を食べていたと思ったら、お腹がいっぱいになったらしく、俺にもたれかかるようにして眠っていた。スヤスヤと寝息が横から聞こえる。夜寝れなくなるぞ……ったく。
「ちなみに会長はどのような判断基準で部活の許可を出しているんですか?」
「やはりスポーツ系統はそれほど新しいものは入ってこないからいいのだが、文化系統に許可を出すときは活動を通して何か学べることがあるかどうかとコンクール等の結果を残せるものが存在するかどうかが、私なりの基準だな」
へえ、やっぱり生徒会長というだけあって、すごくはっきりした基準を持っている。だけど、だけど……だったらぬいぐるみ同好会は今のどこに該当したんだ!
「ぬいぐるみ同好会は子供心を学べるから許可した」
嘘つきぃ! この前可愛いは正義だって言ってたじゃないか! それにまた俺の心を読んだよ、この人。はあ、まあいいか。俺は一つため息をつくと、持っていたラスト一枚をテーブルに戻す。
「でもこれは許可出せませんね、さすがに」
だが、それまでああだこうだ言いながらも、異論を唱えなかった会長が初めて反対してきた。
「なぜだ。私はいいと思うぞ。彼らはわざわざ私に活動理由まで直接説明してくれたんだ!」
そう言って、会長はテーブルの上にあった「アニメ鑑賞部」の書類を俺の顔の前に突き出してきた。一体どうやって丸めこまれたんだろう、この人。変な薬とかは飲まされていないみたいだけど念のため、一応聞いてみよう。
「どんな理由だったんですか?」
「アニメを分別すると言っていた。きっと最終的には産業廃棄物の分別へと発展していくに違いない。実に社会的なテーマではないか」
会長はグッと熱く拳を握りしめる。この人何を言っているんだろう? 最初会ってから会長のイメージが急速に崩れていく。俺の中の「理想の会長」という名のビルはすでに爆破解体した後みたいになっていた。
会長は分かっていないようだが、誠に遺憾ながら俺はアニメ鑑賞部の言いたいことがわかってしまっていた。
「会長。残念ながら、そういうことじゃないんです。そいつらが言っている分別っていうのはアニメを『萌える』ものと『萌えない』ものに分けるという意味だと思うので、産業廃棄物の分別へは一ミリも繋がらないです」
俺が一息に言い切ると、会長はワナワナと震えだした。
「この私を騙したということか?」
「いや、別にそういうわけでは……」
この人よく会長やってこれたな! いや、待てよ。むしろ会長で良かったのかもしれない。昔に生まれて王女とかになってたら、確実に国が滅びてる。まだ何か言いたそうだった会長を諭すと、俺はアニメ鑑賞部の書類を不可の方に仕分ける。こうして部活動仕分けは終了した。
梓が来た意味ってあったのだろうか?




