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第二十二話 『初めての仕事』

 翌日。俺は授業が終わった後、生徒会室に来るように会長から言われていた。なぜだか今日に限っては、梓を連れてくるように頼まれている。どうやら一日限定でペットの入室が許可されたらしい。


 そのため俺は今、梓と一緒に生徒会室の扉の前に来ていた。


 「生徒会室って私初めて入る! どんな感じなんだろう?」


 昨日ペット呼ばわりされたことをもう忘れているのか、梓は期待に満ちた目を生徒会室に向けていた。こいつの記憶は一日しかもたない短期記憶だけでできているのだろうか? 


 俺が扉を開くと、生徒会室の中の様子が俺たちの視界に飛び込んできた。その光景を見た梓の目が見開かれる。


 「ふっつう……」


 「生徒会室なんて、どこも同じだろ」


 よかった! 役職はおかしかったけど、部屋は普通だ! 落胆する梓に対して、俺は胸をなでおろす。


 「君たちは、何を期待していたんだ……」


 会長はすでに来て、座っていた。生徒会室はどうやら二つのスペースに分かれているらしい。


 俺から向かって左は作業スペースらしく。会長を線対称の軸に据えるようにして、全体的にコの字になるように机が配置されている。そして向かって右にはテーブルと会長が座っているソファが置かれていた。きっとこちらは相談事や応対のために使われている……と信じたい。


 「あれ? 今日他のメンバーは?」


 今後一緒に活動していくメンバーだ。この際作業が遅いとかは全然構わないから、クレイジーなやつらじゃないかどうかは確認しておきたい。


 「今日来るのは私たち三人だけだよ。他のメンバーは後日紹介しよう。それにしても小島はやる気満々だな。そのやる気を買って、なるべく早めに顔合わせできるように取り計ろう」


 いや、全然そういうのはないんです。なんなら関わりたくないくらいだよ!


 だって奴隷と同じ仕事をする庶務がいるのに、そんな庶務がいることをわかって生徒会に入ってくるやつら。絶対やばいやつしかいないじゃん!


 「どうした? ぼーっと立ってないで、かけたまえ」


 俺と梓は会長の向かい側のソファに、勧められるまま腰を下ろした。


 「それで俺たちは今日何をすればいいんですか?」


 「うむ。今日は君たちにこれをやってもらいたい」


 そう言ってテーブルの上に並べられたのは、部活動の活動許可願いだった。


 「今年の一、二年生は意欲が旺盛でな。いろんなことを部活動としてやりたいと言って来てくれるのだが、部室の関係もあり全てに許可を出すことはできない。そこで許可を出す部活動を絞るのを手伝って欲しいんだ」


 まあ、この会長さんがぬいぐるみ同好会も許可したらしいからな。確かにゆるそうだ。きっと番犬だったら、泥棒が目の前を通り過ぎても飼い主の知り合いだろうと見過ごすにちがいない。


 「分かりました、それじゃ一つずつ見ていきましょう」


 こうして俺たちの独断と偏見による、部活動仕分けが始まった。


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