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[4]異世界へ〜しかし
そっと眼を開けると眩いばかりの光が入ってきた。
その眩さに慣れてきたのか、それとも光自体が収まって行ったのかは分からない。
其処には見渡す限りの草原と遥か彼方には山々が見えた。
「やった、異世界に来た」
開口一番に出た言葉。
景色だけを見れば、地球の何処かにもありそうな風景ではあるが、ここが異世界であるとの何故かは分からないが確固たる確信があった。
が、(ん?)
なにか非常に違和感がある。
違和感と言っても、ここが異世界であるかどうかの話ではない。
(なんだろう?・・・あ、え?)
(自分の声?・・・!)
そこでふっと思い、自分自身を意識してみる。そして見てみる。
服装はゲームとかでよくある初期装備、布のフル装備。
上着は白色の薄手の半袖、ズボンは少しゆったり感のある砂色の布生地のズボンだ。
そこまでは普通なのだが・・・・
この背中に感じる感覚・・・(自分の髪?)
華奢な両手と白い肌
そしてなにより今自分が凝視しているもの
そう、前世の自分には無かった胸の膨らみ・・・
「まさか・・オレ、女になってる」