[17]セシルのジョブ
「ステータスオープン! ヒナ様、わたくしのカードに手を乗せてみて下さい。」
言われるままセシルの手の上に乗っているカードに自分の手を乗せてみた。
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《セシル・クレイモア 15歳 人間種(女性)【レベル14】》
ジョブ【聖騎士】
* 基本ステータス *
STR:28(成長度A-)
DEF:17(成長度A+)
AGI:18(成長度B+)
INT:23(成長度A-)
CHA:8(成長度S)
スキル:未取得
(注記:成長度は取得ジョブで基本決まり、補正として種族・性別・そして個人の才能や資質により変動幅がある。セシルは貴族としての教育を受けてきた経験や生まれ持っての天命とも言える才能によりほぼ全ての成長度でプラス補正が掛かっている)
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セシルのステータス情報が見えた。
今の手順を履まないとただカードを見ただけでは相手の基本ステータス値や取得スキル等の詳細情報は分からないのだ。
通常、他人のカードを見て分かるのは名前と年齢等の基本的な事だけでその情報も偽装可能との事で、逆に今の手順、[ステータスオープン状態で相手のカードに触れて知り得た情報] は嘘偽りない情報という事になるので、余程信用足る者または信用を得たい相手でない限りは見せたりは絶対しないとの事だ。
「ジョブの聖騎士ってかなり高位なジョブなんじゃないんですか?」(前世の知識的に)
「ええ、まあ…少しレアかもしれませんが大した事はございませんわ」
セシルはそう言いながら心の中で思った。
(ヒナ様はレベル1だからジョブをお持ちでないのかジョブを隠せるような存在だから私には分からないのか、何が何だか解りませんが自分のジョブが本当は非常にレアで才能に恵まれたジョブ…なのだけど、ヒナ様のステータスを見た後だと何も言えませんわ)
(いえ…聖騎士、聖なる者を守る為の騎士、つまりヒナ様の騎士!まさにこのジョブはわたくしの天命だったのだわ)
「ヒナ様!宜しければこれから当分の間、レベル上げをご一緒願えませんか?勿論、その間の衣食住はこちらで準備させて頂きますので。ぜひ!」
「え!それは有り難い話です。こちらこそよろしくお願いします」
なんだかよく分からない展開になったがこれでお金の心配もしなくていいし結果オーライだ。
その後、明日から早速一緒にレベル上げをする事をほぼセシルの一存で決めたり、今の自分の格好だと非常に目立つから別の衣装をセシルの方で準備するとの…そんなに変かな、オレの格好?と思いつつも了承したりと1時間程、女子会…ではなく作戦会議をした。
そして夜ももう遅いという事で解散、就寝となった。
(解散というのかな、これは。 別々のベッドだが同じ部屋なんですが・・・)
こうして二人の初めての夜は当然だが何事もなく終わり朝を迎えるのであった。