[13]街へ向かう途中の話の話(セシル目線)
-- 時間はちょっと戻って《セシル》目線での話です --
自分の目の前にいる女神様が言う。
「あ、名前の方がヒナです。街までご一緒させてください!」
(きゃぁぁぁー女神様がご一緒してくださるわ)
(きっと女神様も色々訳ありなのね。人間界に何かお忍びでの用件があるに違いないわ)
『ではヒナ様、わたくしが街までご案内致します』
◇
セシルはこれまでの話から、今隣を一緒に歩く・・女神様、本人曰く[村娘のヒナ]の事を考える。
村娘とは言っていたが、あんなに綺麗で神秘的な外見の人なんて見た事がない。
不思議なのは外見だけではない。
魔物達と遭遇した時、周囲には誰も居なかった。
そして魔物が残り1体になるまで移動しながら戦っていた為に10分近く掛かってしまった。
という事は10分掛かる距離からこちらを見つけて、ここに来た事になる。
そんな事が出来る人間なんている訳がない。
それに村娘なのに名前をミツキ・ヒナと言っていた。
この世界で貴族でもないのにファーストネーム以外の名、姓を持ってる人は居ない。
しかも名前の方が後ろって、嘘をつくにもおかしな話だ。
(絶対に女神様か何かに違いないわ!)
セシルはそう結論づけるに至るのだった。
(この世界に来たばかりだから、この世界の事がまだ解かっていないのね)
(きっとこれは私の運命。そうだ!ヒナ様のお手伝いをする事が私の天命だったんだわ!)
『ああ、素敵・・・』
(あ、心の声が漏れてしまった!)
「ですよね~・・」
『えっ!』「あっ!」
『もっもう街に着きますわ、ヒナ様』
こうして半分正解のような勘違いをするセシルとヒナは街へと着いた。