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Aなの?Eなの?WXY?

「まぁ、そういうことですから

 私に劣情を催そうが

 淋しい夜のオカズにしようがかまいませんけど

 過度な期待は、するだけ無駄ですよ」

 と、カレンは恋してしまいそうな笑顔で言った。


 このクソビッチなウィッチの話は、余計でムダな情報が多くて要領を得ない。

 このとりとめのないダラダラと延々話していた内容を

 俺への侮蔑を削除してまとめるとこうだ。


 1 この女は『天使』だそうだ。

 2 天使とは、神に仕える者で人間ではない。

 3 魔術師ウィザードカレンというのは、この世界での仮の姿である。

 4 神は魔王打倒のため俺をこの世界に転生させた。

 5 研修中の天使であるカレンは、

   神の命により俺と行動を共にすることとなった。


 研修中って・・・

 まぁ、ツッコミ所はそこだけじゃないんだが・・・


「ええ、神に仕えるA級天使になるには、いろんな研修があるんです」

「ふ~ん、お前は何級なの?」

「もう、『胸はEかFくらいあるけれど』なんて

 またエロいこと考えちゃって」

「か、考えてねーし!」

 でも・・・何カップなんだろう

「知りたいですか?」

「いや、べ、別に・・・」

「四級です」

「四級?」

「もう、だから胸の大きさじゃないですよ。天使の格ですって」

「だから、Aの下は数字なのか?」

「まぁ、私ほどの天才だと格なんか関係ないんですけどね」

 相変わらず会話がかみ合わない。


「そうそう、私、ここに来る前の研修先、日本だったんですよ」

「へぇ、だから日本語が上手いのか」

「はぁ、なに言ってんですか?」

「いや、カレンの日本語が流暢だと・・・」

「え、私が日本語喋っているように聞こえますか?」

 え?違うの?

「もしかして、ケントさんも今自分で日本語話してるって思ってます?」

「あ、ああ・・・」

「耳大丈夫ですか?

 てゆうか、頭大丈夫ですか?

 虫とか湧いてないですか?

 エッチなことばっか考えすぎて前頭葉爆発してませんか?

 脳みそマル〇メになってないですか?」


 こいつ・・・本当に天使か?

 それにマ〇コメ味噌はうまいぞ!俺の家ではずっと〇コメ味噌だ。


「えっと・・・これ、読めます?」

 カレンは手品のように小さな煙と共に分厚い本を出した。

 表紙に見たことのないアルファベットのような文字が書かれているのだが・・・


 ――サルでもわかる魔術入門――


 あれ?読める・・・なにこれ・・・


「ケントさんは、もうこっちの世界の言葉を使っているんですよ」

 そうなんだ・・・

 てか、質問の答え今の一行だけでよくね?

 頭に虫湧いてるの件いらなくね?


「じゃ、じゃあさっきの王様とかも・・・」

「あったりまえじゃないですか

 あんな格好したあんな人種が

 日本語話すわけないじゃないですか」


 だから俺も不思議だったんだが・・・


「ケントさん

 もしかしてホントにバカなんですか?

 すぐにエロいこと考える童貞なうえに

 九九も覚えられない学力とか

 ヤンキー校にでも通ってたんですか?」


 九九ぐらい言えるわ!

 ペラペラとよくもまぁ・・・

 とにかく、コイツとの会話はラチが明かない。

 何か方策はないものか・・・


「なぁ、なにか書くものあるか?」

「かくもの?もう、昼間っからまた下ネタですか?」

 お前の耳は何をどう聞いたらそうなるんだ!

「紙と鉛筆。ボールペンでもなんでもいいから

 出せるだろう、その、魔法で・・・」

「はぁ、いいですけど、何に使うんです?

 WXYとか落書きしても誰も喜びませんよ」

 小学生じゃねぇんだから!そんな女体書かねえよ!


 また微量な煙と共に、羽ペンと茶色がかった紙が出てきた。

 よし、この紙にバカ女への質問を書いてやろう。

 箇条書きにして、答えもコイツに書かせよう。


 ・・・って、あれ?

 字が・・・書けない・・・

 ペンにインクが付いてないとかじゃなくて・・・


 書きたい字がわからない・・・

 読めたのに・・・


 読めるけど、書けない・・・

 『薔薇』って字じゃないんだから・・・


 そうだ、日本語なら

 

 だめだ。

 日本語も書けなくなってる・・・

 なんだよ!これ!

 どうなってるんだ?


 あれ、俺、九九言えるよな・・・







次話予告

 大ヒットしたあの夏のアニメ映画

 その名とは全く無縁の名前タイトルである

 もう一度っておく

 パクリでもパロディでも、ましてやオマージュでもない


次回「俺の名は」


 はい、ホントにただの偶然です


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