天使ですか
俺は、城内を肩を落とし聖剣をズルズル引きずって歩いていた。
そりゃ落ち込むわ・・・
訳の分からない世界に放り込まれて
有害な魔法とやらをかけられて
魔王討伐の旅などというミッションを無茶ぶりされて
「俺は一度死んだのか?」と問えば
隣を歩く美少女は
「ああ、そういうのわかんないです。私、魔術師ですから」
と笑っているし・・・
「あ、知っているかもしれませんけど、
魔術師ってゆうのは本来男性の魔法使いのことを言うんです」
へぇー・・・そうですか・・・
「女の子の魔法使いはウィッチが正しいんです。魔女のウィッチね」
ウィッチってゆうよりも
ビッチだろ。お前・・・
「でも、ほら男女平等じゃないですか世の中が」
ほう、この変な世界もそうなのか?
「ほら、日本だって看護婦さんとか婦警さんとか
もう死語じゃないですか、それと一緒ですよ」
ん?
「え、お前、日本知ってんのか?」
「あ、いえ・・・その、まぁ・・・」
「こっちの、この国の人間なんだろう?なんで・・・」
「えっと・・・う~ん、言っちゃおうかなぁ」
何だよ?
「ケントさん・・・」
こんな至近距離の人間をカレンは手招きした。
耳打ちしようとしたのだろう
「実はですね・・・」
と、俺に顔を寄せてきたのだが・・・
ゴツ!
グサッ!
あの無駄にデカい帽子のつばが俺の顔面を直撃した。
「痛っ!」
この女、バカか?
「きゃははは、もう、やだ、ケントさんたら、何やってんですか?」
カレンはカワイイ顔で大笑いしていた。
ふざけんな!
お前が何やっとんじゃ!このビッチが!
「もう・・・」
笑いをこらえながら再度俺に顔を近付けてきた。
今度は、帽子のつばに気を使いながら顔を斜めに傾けて
じゃなくて、帽子脱げよ
帽子に気を使わないでいいから
俺に気を遣えよ!
でも、この顔の傾け方・・・
おお、なんかエロい。。。
体も密着して・・・
「鎧越しだけど、わー乳当たってる!なんて思ってますー?」
カレンが俺の耳元で怒鳴った!
「だーっ!鼓膜破けるわーっ!」
「もう、すぐエッチなこと考えるんですから、思春期ポロリしすぎですよ」
バカ野郎!
人のデリケートな思春期を、片乳ポロリみたいに言うんじゃねぇ!
「ま、周りに人もいないし、普通にしゃべっても大丈夫かな」
最初からそうしろ!
「ここだけの話ですけど・・・」
「私・・・」
「『神の使い』なんです」
はい?
「人間じゃないんです」
はぁ?
「平ったく言っちゃうと・・・」
「天使」
「なんです」
はぁ、そうですか・・・
天使・・・さん・・・ですか・・・
だから!
天使って・・・
ああ、そうですか
天使さん・・・ですか・・・
次話予告
内容もないのに話が進まないジレンマに苦悩する主人公
彼は一つの決断を下す
英断か愚行か
ダイジェストなのか、まとめサイトなのか?
次回「Aなの?Eなの?WXY?」
元々笑える箇所少ないんだから、それを減らすってのもどうよ?