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合体だ!

 小鳥のさえずりが聞こえ、部屋の窓から日の光が差し込む・・・

 朝だ。

 結局、興奮したまま一睡もできずに夜を明かしてしまった・・・

 体は、相変わらず動かない。

 血液が集中しすぎて、一晩中ギンギンだった俺の・・・目。

 真っ赤に充血している・・・


「ううん・・・あん・・・」

 俺の後ろで、カレンが吐息のような声を漏らす・・・

 これがまた妙に色っぽく聞こえて、俺を悩ませる・・・

 何度も繰り返されたこの状況は

 寝返ることのできない俺のリビドーを煽り続け

 熱血テニス指導者のごとく、俺に諦めることを許さなかった。


「ふうぁ~」

 カレンがあくびをした。

 背伸びをしたのだろう、伸ばした白い腕が鏡に映った。

「おはようございます

 あれ?ケントさん、もしかして『オール』ですか?

 KATEEE状態のまま、一晩中ムラムラしてました?」

 俺の二の腕に顎を乗せて話しかけるカレン。

 動けない俺の体が邪魔で、肩までしか見えない・・・

 まだ、裸のままだ・・・


 立て!

 立つんだ!カレン!

 隻眼の拳闘指導者のごとく、心の中で俺は叫ぶ。

 一晩中、俺の背中に当たっていたあの柔らかい物体を見せてくれ!

 何もできないのなら、せめて・・・

 乳見せろ!!!


「さてと・・・」

 カレンの顔が鏡の中から消えた。

「二度寝でもしますかね?ケントさんまだ動けないみたいですから・・・」

 今度は、脚フェチならおかわり三杯いけそうな、あの白い美脚が鏡に映る。

 たまらん!

 もう、限界だ!

 いや、とっくに限界は超えている。臨界突破だ。

 俺のドリルをどうにかしてください!天使さま!

 合体したいです!カレンさま!

 でないと、また、小型ケント1号機が!


 あれ?

 体が・・・動く?

 おっ!動くぞ!復活だ!!

 よし!合体だ!

 俺を誰だと思っていやがる!


「カレン!」

 そう叫んで俺は振り返った!

 青いガウンを脱ぎ捨て、裸のカレンを・・・

 って、あれ?

「ああ、ケントさん・・・動けるようになりましたか・・・」

 目をこすりながら起き上がったカレンは、オーバーオールにネルシャツという重装備だった・・・


「なんで・・・服着てんの?いや、いつの間に?」

「もう、ケントさん、朝から元気ですね、ああ、朝だからですかね?」

 俺の股間を見てニヤリと笑うカレン。

 着衣の女に襲いかかろうとする全裸の俺・・・

 変態?犯罪者?


 いや、怯むな!

 犯罪でも変質者でもない!

 これは、求愛行為だ!

 自然の摂理なんだ!


 『諦めるな!』

 俺の心の中で、あのアツくてウザい熱血庭球指導者が叫んだ!

 そうだ!

 ここから挽回だ!

 服を着ているなら脱がせばいい!

 逆に、脱がす楽しみも増えたってもんじゃないか!

 だよな!シューゾー兄貴!

 俺のドリルは、天を衝くドリルだ!


「カレン!」

 着衣の天使の両肩をつかんで叫ぶ俺。

 その声を遮るように、どこからか電話の着信音・・・

 なんで?

 着信音って・・・


「はいはい・・・お待ちくださいっと」

 ベッド脇に置いてある趣味の悪い人形の頭をカレンが軽く叩いた。

『お楽しみの所、えろうすんません・・・』

 ブードゥー人形みたいな置物から、宿屋のオヤジの声が流れた。

『そろそろチェックアウトの時間なんですけど、延長なさいます?』

「いえ、今出ます」

『ほな、宜しく頼んます・・・』

 ブードゥー人形の目が閉じて会話終了・・・

 なんだ?これ・・・気色ワル!

「これも、魔導具の一種です。

 そんな事より、行きますよケントさん。早く鎧着てくださいな」


 えっと・・・終了・・・ですか?

「私も、天界に戻らないといけないので」

 カレンの笑顔は天使そのものだった。

「もう、『俺はまだ、イってねぇ!』とか言わないでくださいよ

 『行きますよ』って、そっちの意味じゃありませんからね」

 いや・・・実は、昨夜、一度暴発事故が・・・


「サービスタイム終了です。ウフっ!」

 五分でいい!

 いや、三分・・・一分あれば大丈夫!

 すぐ終わるから!

 延長しようよ!できるよ!まだ間に合うよ!

「ケントさん、なんか熱いですね・・・しかも、ウザい・・・」

 あれっ?天使の笑顔が、ビッチ魔術師ウィザードの蔑み顔に戻ってる・・・

「マツ〇カさんみたいですよ、精神がシューゾーと『合体』しちゃいました?」

 俺の『合体』は、そんなものじゃ・・・

 

 あれっ?


 俺のデカラケが・・・通常サイズに・・・

 卓球のラケットに戻ってしまった・・・

 なんで諦めるんだ!

 お前の夢はなんだ!

 お前の根性はそんなものか?

 それでいいのか?俺のドリルよ・・・


 俺の中で試合終了のゴングが鳴り響いていた・・・



※この物語はフィクションです。登場する人物・熱血指導者・熱くてウザい等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 作者のデスクには『【日めくり】まいにち、〇造!』が飾られています。ファンです。ファンなんです・・・ゴメンナサイ・・・



次話予告

 出会いがあれば、別れがある。

 始まりがあれば、終わりもある。

 終わり良ければ全て良し。

 終わってしまえば過去の事。

 過去の過ちは忘れ去ればいい。

 消せない過去も、描けない未来も、全部まとめてビッグバン!

 背景放射もバーストも、そこのけそこのけ暗黒ダークな世界。

 それじゃマターねと笑えるエナジー。

 物語は、遂に、終焉を迎える!


次回、最終話!

 「さよならカレン~最終回ってなんだよ!」


 いよいよ、このわけわからん予告も終わりなのですね・・・

 本編だって、ブクマやポイントがインフレーションも大爆発も起こしませんでしたね、やっぱり・・・



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