姫、再び!
「はぁ?カエルとキスとか、マジ無理なんすけどぉ」
別のテーブルの椅子にふんぞり返って座るリズ姫が言った。
「アッシぃ姫だしぃ、この国の姫よ。姫のファーストキスの相手がカエルとか、マジありえないんすけどぉ」
なんか、キャラ変わってね?
口調ギャルっぽくね?
反抗期?
なんか俺の妹思い出す・・・
「じゃ、じゃからのエリザベスちゃん、接吻はせんで良いのじゃよ」
「あん?」
ふてくされる孫娘に冷や汗たらたらの王・・・
「エリザベスちゃんの唾をじゃな、ちょっとだけ勇者殿にかけてもらえばいいんじゃよ・・・」
「つば?」
「うむ」
「はぁっ?なんでアッシがそんな変態プレイしなきゃいけないんだよ!
ざけんな!お前がやれよ!クソジジイ!」
「いや、ワシの唾じゃダメだそうでの・・・」
「じゃあ、婆やのつばでもかけりゃいいだろ!」
「いや、エリザベスちゃんのじゃないとのう・・・」
「はぁ?んなこと知るかよ!クソジジイ、死ね」
天界サポートセンターの説明を受けたカレンの説明によると
呪い解除に必要なキスだが、唾液の授受でも良いそうで・・・
エリザベス姫を再び呼んで唾液プレイをお願いする事となった。
「わあったよ・・・一回だけだかんな!」
おこずかいアップか誕生日プレゼントの前倒しか何かで
ようやく交渉成立したらしく、渋々姫がこっちにやって来た。
カエルの俺を見下ろす姫。
あんなしゃべり方でも、やっぱカワイイ!
口に唾液をためる姫。
下であんぐりと口を開け待ち構えるカエル。
どんな光景だよ?
どんな凌辱プレイだよ?
でも、頬を赤らめて目をつむった美少女の顔は、やっぱいい!
待てよ・・・
こんな変態プレイしなくても
今、カエルの脚力で姫に飛びつけば・・・
姫の唇に飛びつけば・・・
キス成立じゃないか!
無理矢理唇を奪うのは俺の主義に反する・・・
だが、しかし・・・
おばあちゃんは言っていた『男は強引なくらいが丁度良い』と。
そうだ、ここは強引に姫の唇をゲットして
男らしい行動で美少女のハートもゲットだぜ!
ジュッ!
「あぢっ!」
また、カレンが俺のケツを焦がした。
「このド変態ガエル」
振り向くと三白眼と目が合った。
「まったく、何考えてるんですかね、この童貞ド変態チーターは
強引にキスされて嬉しいわけないじゃないですか
惚れるわけないじゃないですか!
犯罪ですよ!性犯罪ですよ!この人痴漢ですよ!」
「う、うるせぇ!」
「そんなんだから『お気に入り登録』外されちゃうんですよ
ブックマーク取り消されちゃうんですよ
マイミク外されて逆切れするタイプでしょ、ケントさんって」
ポタッ・・・
姫の唾液が俺の前に落ちた。
振り向いてカレンとグダグダやっている間に・・・
あーーーーっ!
姫のつばが!
美少女の唾液が!
俺の強引なキスが!
「すみませんが、もう一回お願いします・・・」
口を開け姫を見上げた俺なのだが・・・
姫はカレンと同じような蔑んだ顔で俺を睨みつけていた。
「舐めろ」
はい?
「もう二度とツバなんか出さないから、それ、舐めろよ」
は、はぁ・・・
俺はテーブルの上に落ちた姫の唾液を見つめる。
「早くお舐めなさいよ、それが欲しいんでしょう・・・この変態ブタガエルが!」
どうやら姫は、女王様プレイに目覚めてしまったようだ・・・
ああ、この短い間に変貌していく美少女。
反抗期の少女の心はあまりにも脆く危うい・・・
次話予告
宇宙暦2202、王国アルカンタは魔王率いる魔族軍の侵攻に脅かされていた・・・
加速する姫の反抗期、止まることを知らぬ王の欲情、色欲と怠惰の罪を貪る司祭。
人々は王国の行為に恐怖した。
次回「ケント大地に立つ!」
ケント行きまーす!ってどこに?




