表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/31

お客様サポートセンターは、大抵すぐにはつながらない

「はぁ、死ぬかと思った・・・てか、死ぬわ」

 とりあえずは、カレンの回復魔法とやらで

 通常?のカエルに原状復帰した俺

 姫と婆やのいなくなった部屋で善後策を検討中・・・


「カレン、お前の魔法で俺を元に戻せないのか?」

「魔術書で調べてはみたのですが・・・」

 あの『サルでもわかる』ってタイトルからして

 その本に期待するのもどうかと思うが・・・


「やはり呪い解除は司祭プリーストの仕事じゃないですかね」

 また、こいつは他人事だと思って、すぐにブン投げやがる・・・


「お前天使だろ?天使の力でなんとかするとか

 神様になんとかしてもらうとかできないのか?」

「はぁっ?神や天使のスキルをこんな虫けら同然の人間、

 いやカエルごときに使うわけないじゃないですか」

 また、得意の蔑み顔でカレンは言った。

 なんて残酷な天使だ・・・


「いいですよ、わかりましたよ。

 私が司祭プリーストに頼んでもらえるように、王様に頼んでみますから」

 どこまでも他人任せなエンジェルだ・・・


「あの、王様」

「何じゃな、麗しき魔術師ウィザードちゃん」

 さっきまで号泣していた王様の鼻の下は伸び放題だ

 ウィザード『ちゃん』ってなんだよ!『ちゃん』って


「おそれながら申し上げます。

 この神話になりぞこないのカエル少年は

 司祭プリーストに呪いの解除を頼めないかと申しておりますが」

 両腕で挟むように胸の谷間を強調しながら、カレンは上目遣いで言った。

「うほほ!そうじゃの!司祭プリーストにやらせよう!」

 人目もはばからず王は小躍りして喜んだ。

 なんて品のない王様だっちゅーの!


 発情した犬みたいに「はぁはぁ」とよだれを垂れ流す王様に従者が駆け寄り耳打ちした。

「おお・・・そうじゃったのぉ」

 王が目くばせすると、おもむろに手帳を読みだす給仕。

「えー・・・司祭プリースト様は御高齢につき、最近少々呆け気味でございます」

 てか、なんでアンタ?

 その手帳なに?

 ベテラン刑事の警察手帳?


 で、この事情通の七三分けオヤジが言うには

 二百歳を超える高齢のプリーストの爺さんは、

 ここんところボケまくりでミス連発だそうで・・・


「ケントさん、ヤバすぎですよ、ここの司祭プリースト

 聖騎士の蘇生に失敗してゾンビにしちゃったり

 城に悪魔を団体で召喚しちゃうなんて、ありえないですよ」

 カレンの耳打ちにドキドキしてしまう俺・・・

 だって、顔が、唇が近いんだもん・・・

 って、ちょっと待て!

 俺をここに呼んだのは、そのプリーストの爺さんだよな・・・

 

「そして、勇者様召喚という大仕事を成し遂げた司祭プリースト様は・・・」

 あれ?給仕のオッサン泣いてる?

 何?

 爺さん死んだのか?

「只今、ギックリ腰で療養中でございます」

 生きてんのかよ・・・

「ただ、アッチの方は殊の外お元気だそうで、シスターの方々も手を焼いていらっしゃるそうです」

 アッチってどっちだよ!

 ギックリ腰だよね?

 シスターだよね?

 そういうことしちゃだめだよね?


「じゃ、じゃ、じゃあ、もう一度リズ姫に頼んでくれよ」

「はぁ?何を頼むんですか?」

「キ、キ、キスに決まってんだろ・・・」

「はぁ?いつまでも儚い夢追ってるんですか?

 アクセス0のくせ書籍化目論んでるですか?無理に決まってるでしょう!」

「いや、あの子なら性格も良いし、お願いすればきっと・・・」

「懲りない人ですねケントさんも

 さっき床にへばりついたて死にかけたくせに

 今度はTシャツにでもへばりつきたいんですか?

 そのTシャツ姫に着せて『わー背中に乳が当たってる』とか

 変態的なこと考えてるんですか?ド根性ありすぎですよ」

「とにかく、王様に頼んでみてくれよ」


「無理じゃの」

「無理ですね」

「無理であろう」

 王とその取り巻きの一同、異口同音・・・

「他に、リズちゃん以外に姫はいないのかよ?」

 カレン通訳後、七三給仕が手帳を見て言う。

 だから、なんでアンタなの?

「いらっしゃいますが、皆様すでに嫁がれておりまして、出戻りの姫がお三方、内お一方はお子様がいらっしゃいます」

「もう、バツイチでもいいから」

「いよいよケントさんも無駄に高い理想は捨てて

 やれればいいって思っちゃいますか・・・」

 手帳をめくる給仕。

「しかしながら、呪いを解くには生娘でないと・・・・」

「キムスメ?」

「バージンってことですよ、ケントさん。辞書にマーカー引いてあるでしょ」

 今どき小学生でもそんなことしねえよ!

 

 どうすんだよ!

 早く俺を人間に戻してくれ!

 このままじゃ、体だけじゃなく心までカエルになりそうだよ

 なんか、そこいら辺飛んでるハエが美味そうに見えてきた・・・


 カレンの体に目を釘付けにしたまま王が言った。

「もうカエルのまま魔王討伐するしかないじゃろ」

「ええ、カエルのままでよろしいかと・・・」

「うむ、カエルのままで良いではないか」

 だー!

 お前ら王様のイエスマンかよ!オウム返しかよ!

 インコだってもう少しマシなこと言うよ

 却下だ!

 その案、却下!


「・・・ああ、なるほど、そうですか・・・はい、ええ・・・」

 ん?

 カレンが誰かと話している

 え?

 スマホ?

 通話?

「はい・・・ええ、わかりました。はい、どうもー」

 通話終了・・・

「ここ携帯つながるの?」

「つながるわけないじゃないですか。

 ドン引きガエルでも、それくらいわかりませんか?」

「だって、それスマホじゃん・・・」

「こんな中世欧州風味設定のファンタジー世界に

 そんなものあるわけないじゃないですか、これは天界と下界の交信機ですよ」

「天界との・・・交信?」

「ええ、天界サポートセンターに問い合わせました」

 なに?そのカスタマーセンター・・・

 天使に対する苦情とか受け付けてくれないのかな?

 派遣された不良天使を交換とかしてくれないのかな?


「で、対処法がわかりました」



 長いよ!本文も!

 無駄に長すぎだよ!内容無いのに・・・


でもって、次話予告

 誰にでも訪れる反抗期。

 お父さんの洗濯物と一緒に洗わないで!

 お父さんの入った後のお風呂のお湯は捨てて!

 歩くときは離れて歩いてよ!お父さんと一緒の所なんか友達に見られたくない!

 それでも父は、結婚披露宴の花嫁の手紙で号泣する・・・


次回「姫、再び!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【好評連載中!】

『なんだよ!2(仮)』
↑↑↑
こちらもぜひ!
ヨロシクお願い致します。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ