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姫、来たー!

「いやだー!ヤダヤダヤダヤダ!」

「もうゲコゲコうるさいですよ、ケントさん」

「こんなお婆ちゃんと初チューなんて、ヤダー!」


 グサッ!


「痛て!」

 カレンが俺のケツをフォークで刺した。

「煮え切らない人ですね、男らしくないですよ

 もう、キスするしか道は無いんですから、どーんと構えてください」

「でもさぁ・・・」


 ブスッ!

「ぎゃっ!」

 今度は眉間にフォークが刺さった!

「チューの時、カエルの長い舌をねじ込むぐらいの気概見せてくださいよ」

「舌なんか入れるかぁ!」

 てか、フォークで刺すのやめろ!

 俺はイチゴショートでもガトーショコラでもないぞ!


 とはいえ・・・

 カレンの言うことも一理ある。

 人間に戻るためだ、仕方のないことなんだ

 腹をくくれ健人!

 交通事故とか野良犬に噛まれるようなものだ


 野良犬ならぬ老婆の顔が近づいて来る・・・

 耐えろ健人!

「ふむ・・・これが勇者様ですか・・・」

 お父さん、お母さん、ごめんなさい・・・健人は・・・


 老婆姫がおもむろに、ほうきで床を掃きだした。

「?」

 首を傾げるカエルの後ろで、同じようにカレンも首を傾げている。

 俺の乗っているテーブルの下あたりから

 部屋の入口まで黙々とほうき掛けすると

 お婆ちゃんは部屋の外へ声をかけた。

「お待たせいたしました。床の浄化が終わりましたぞい、エリザベス様」

「は~い」

 という若く可愛いらしい声と共に少女が現れた。


 栗色の髪の美少女だ。


 カレンとは違う清楚な感じの正統派美少女。

 それも『超』のつくレベルの・・・

 年の頃なら十三、四くらいか?

 俺には中三の妹がいるが、それよりも少し幼く見える。

「おい、カレンこの国の女の子はみんな可愛いのか?ここは美少女だらけの国なのか?」

「まぁ、アニメでもラノベでも

 不細工キャラはあまり出てきませんからね

 でも、そんなに可愛いですかね?

 言うほど美人でもないと思いますけど」

 ウィザード様は、なにかご機嫌ナナメのようだが、まあ、放っておこう・・・


「なんとおいたわしいお姿なのかしら」

 超絶美少女(正統派)が俺の顔をのぞき込んで言った。

「おじいさま、この方が勇者さまなのですね」

「うむ、そうなのじゃ、エリザベスちゃん」

 

 ん?

 おじいさま?

 スケベ王の孫?

 ってことは、この子が姫?この超カワイイ子がお姫様なの?

 この子とチューするの?俺!

「やったー!姫最高!カレンなんかとチューしなくて良かった!」


 ジュッ!


「あぢっ!」

 俺のケツが少し焦げた・・・

 振り向くとカレンの人差し指からわずかに煙が立ち昇っている・・・

「お、お前、今なにした!」

「今度また失礼なこと言ったら、こんなもんじゃすみませんよ」

 目だけが笑っていないカレンの笑顔は

 『蔑み顔』よりも『三白眼』よりも恐ろしかった。


 クソ、このビッチめ・・・

 しかし、今はチューだ、姫とチューだ!


「本当に良いのか?エリザベスちゃん、そなたに接吻などさせて・・・」

 泣くな!ジジイ!余計なこと言うな!

「はい、大丈夫ですおじいさま」

 うんうん、大丈夫に決まってるよね、お姫様。

「カエルさんも好きですし

 この国のため、世界のためですもの。リズは勇者さまとキスしますわ」

 部屋にいる男ども全員が、また号泣した。


 いい子だ!リズ姫!超美少女で性格までいいなんて!

 どっかの誰かさんとは大違いだぜ!


 ジュッ!


 また、ケツが焦げた・・・ 


「さあ、勇者さまこの手にお乗りください」

 小さく可愛い白い綺麗な手に俺を乗せると

 姫は自分の顔の前まで持ってきて俺を見つめる・・・


 来たーっ!来たよ!初チュー!

 やっぱ目はつぶらないといけないのかな?

 唇はとんがらせなくていいのかな?

 首は傾けなくてもいいのかな?


 ああ、姫が目をつぶって・・・

 かわいい唇が近づいて・・・

 

 お父さん!お母さん!そして妹よ!

 お兄ちゃんは、大人の階段登っちゃいます!!!



 次話予告

 『チュー』の後には何が来る?

 ドリフの場合『ケン』だった

 いやいやこれは男女の話

 『チュー』の後に必然的に訪れる『アレ』のために

 男子諸君はエチケットとして財布の中に入れておこうじゃないか


次回「薄さ0.03ミリ」


 すみません・・・予告の意味が分からない方は

 「なんだばかやろう」と言わずに

 『注の後けん』で検索してみてください

 ごめんなさい・・・怒っちゃやーよ!



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