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プロローグ
第二章です。
意識が薄れていく。
肺と喉が潰され、声を上げることすら叶わない。
ぼやけた視界でとらえたのは大きな影。
こんな状況になったのは自業自得だ。
自分のうぬぼれが、判断ミスが死を招いた。
足元から暖かさを失う。
体中傷だらけで、その傷口が熱を持っていたはずなのに、だんだんと冷たくなっていく。
足元から迫ってくる死や恐怖に、俺は飲まれるしかない。
俺は今、海に浮かんでいるのか?
そんな気がした。
死ぬってこんな感覚なんだな。
俺はその感覚に身を任せる。
悪くない気分だ。
そのまま俺は、意識を手放した。




