なぁ、どうなんだ?
「……まさか、別れたいのか?」
彼が、晩御飯を食べている時に突然尋ねてきた。
思わず食べていたご飯を吹き出しそうになる。
「……え?」
「だってさ、最近、話しても空返事ばかりじゃないか」
「あれ、そうだっけ」
私は思い出そうとするが、それを思い出すことはできなかった。
考えてみると、空返事している時は、大概は、考え事している最中だから覚えているはずがない。
「だから、別れたいのかって」
「それはちょっと短絡的すぎない?」
私はそう答える。
空返事だから別れたいと言うのはどうかと思う。
「なぁ、どうなんだ?」
こういうときの対処法は一つだけだ。
「好きだよ。愛してる。ずっと、あなただけを、ね」
「そうか」
ほっとしている彼を見て、けっこう著ろいと思うわけだが、それはおくびにも出さない。
これで、一件落着だ。