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頼むから俺を巻き込むな!  作者: クロ
ケースゼロ
4/9

夕飯クリエイター雅


紙を見た俺はかたまった。

どう見てもめんどくさくなる予感しかしなかったからだ。


「あ!今日、妹から夕飯の買い物をして来いって言われてたんだった!先生すいません失礼します!」


とりあえず全力で逃げた。


「逃がさないがな」


逃げられなかった!!

ゲームで言うとレベル差がありすぎて回り込まれた的な感じだ。


「なんでですか嫌ですよこんなめんどくさそうな部活!」


「ちなみに部員はお前を含めて四人だ」


「聞いてないだと!?」


この教師は横暴だとわかってはいたがここまでとは…。


「まずお前、それと一年が二人と二年の部長が一人だ」


「何気にバランスとれてんな…」


「さあ入部届けを書け。さもなくばお前の家を爆破する」


「どんな脅しだよ!!」


なぜか入部する流れになってしまっていた。


「くそっ…俺に力がないばかりに…!」


「そういう中二病発言はいらんから早く書け」


「……はい」



倉沢善明、高校一年生。

解決部に入部しました。


「で、これってなにをする部活なんですか?」


「その説明は明日だ。早く帰れ仕事があるんだ」


「あんた本当に最低だなっ!!」


渋々入部した部活だが活動くらいは知りたいじゃないか…まあ、明日になったらわかるっていうんだから帰るか…。


ーーーーーーー


「ただいまー」


「おかえりー」


家に帰ると妹が何かやっていた。


「なにしてんの?」


「創作料理的ななにかだよ?」


「……。」


妹の手元には謎の物体としか言えないモザイクをかけたくなるようなモノが握られていた。


「そ、それって食えるんだよな?」


「とりあえず食材しか使ってないから平気だと思うよ?」


妹よ!いつからそんな危ないことをするような子になったんだ!!


「あー、俺は今日そんなに腹減ってないから夕飯はいらないかなー…なんて思ったり…」


「ん?何か言った?」


にっこり笑いながら手元の物体を握り潰す。


「ちょ、ちょっと着替えてくるね。ご飯はちゃんと食べますから!」


ダッシュで部屋に退散する。


(おいおいおい…たとえ食べられるものであれが美味いとしても見た目NGだと思うんだけど…)


ありえないありえない、と唱えながら気づくと1時間ほど経過していた。


「お兄ちゃーん!ご飯だよー!」


くそっ…悪魔の声が聞こえる…いや待てよ?このまま寝たふりをすれば…


「寝たふりなんてしてたら寝てるうちに髪の毛刈るからー!」


「今行くよー!」


ゾッとした!!あいつはやる時はやる女だ。

憂鬱になりながらリビングに行くとテーブルの上に……オブジェが出来上がっていた。


(はぁ!?いやいやおかしい!!我が妹ながらそれはおかしい!!)


俺は当然パニックだ。

テーブルの上に山とよくわからないが山の上に浮いている雲、そしてそこを昇っている龍がいたのだから。


「な、なあ妹よ」


「ん?」


「これはなんだい?」


震える声で聞いてみる。


「見てわかるでしょ。今日の夕飯よ」


(わからねぇよ!龍がご飯とかゲームじゃねぇんだよ!!)


「へ、へぇー」


心の中では激しく動揺しながら何とか言葉を絞り出す。


「じゃ、食べようか」



そう言われた後の記憶はない。

だが……なぜか美味かったという感覚のみが残っていた




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