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カタカタちゃんと晴れの日

作者: roboboa




久しぶりの晴れの日は、

空に雲ひとつなくてなんだか嘘みたいだった。






本当に晴れているのか確かめるために、

カタカタちゃんをさそって近くの公園へでかけた。




カタカタちゃんと私は、

公園に着くとまず最初に芝生の丘に向かった。

丘の頂上には大きなヒヨコの形のヒヨコ石がある。

ヒヨコ石によじのぼって、立って空を見上げた。


「今日は晴れだよねカタカタちゃん」

「カタカタカタカタ」


しばらく空を眺めて、それからヒヨコ石を飛び降りた。


「でも、まだわからないね、本当に晴れなのかな?」

「カタカタカタカタ」




今度は公園の中の大きな池のほとりにきた。

池をのぞくと魚や鳥がよってきた。

近くにはえさを売る機械がある。


「えさあげる?カタカタちゃん」

「カタカタカタカタ」


私はえさを買って、カタカタちゃんと一緒にえさをまいた。

魚はびちびちとはねて、鳥はすいすいと泳ぎながら、えさを食べた。

水しぶきが太陽の光でキラキラしていた。

空を見上げるとやっぱり雲ひとつなくて、

ただ青かった。




「やっぱり、今日は晴れだよね、カタカタちゃん」

「カタカタカタカタ」


えさがなくなると水面は少し静かになった。

けれどまだ魚や鳥は満足していないみたいだった。

もう一度えさを買ってまくと、

また魚と鳥はびちびちすいすいえさを食べた。

私ももう一度空を見上げた。


「やっぱり、嘘みたいな晴れだね、カタカタちゃん」

「カタカタカタカタ」






公園を一周して、色んなところで空を見上げてみた。

やっぱり空は雲がひとつもなくて、青くて、晴れていた。

でもなんだかその晴れが嘘みたいで、何回も空を見上げた。




ついに公園を二周してしまったので、

家に帰ることにした。

カタカタちゃんと話しながら道を歩く。

カタカタちゃんの姿がなんだかはっきりとみえて、

やっぱり今日は晴れなんだ、と思った。

でも、カタカタちゃんを見ていると

やっぱりなんだか今日は晴れなんて信じられなかった。


「カタカタちゃん、今日が晴れなんて信じられる?」

「カタカタカタカタ」






家に帰って、また明日カタカタちゃんと遊びたいなと思って、

どうやって遊ぼうか考えているうちに日が暮れた。


思い返せば、今日は雲ひとつない、素晴らしい晴れの日だった。

どうして疑ったのだろう。






テレビをつけて天気予報を見る。

明日も晴れるらしい。でも、どうかな?本当かな?




明日もまた、カタカタちゃんと確かめに行こう。




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