三刻
反乱の始まり始まり
殺風景で無機質な白い空間
わずかな家具しかない
この空間で反乱が生じていた
想造主の造った
不定にして異形の怪物
創造者に対しての反逆者
名をショゴスによって
しかしショゴスは知らない
自身の反乱が仕組まれていたことを
想造主の手の平で踊る
愚酒に酩酊した
哀れな人形であることを――。
『【我コソハ神ノ支配ニ反逆スル者! 故ニ我ハ神ヲ喰ライ、我自身ヲ神ト成スノダ!!】』
反逆者ショゴスは
創造者である想造主と
サタンの前に現れると
己の白昼夢に似た
愚かしい無謀なる野望を
吐き叫んだ
「私を喰らって神となるか。ははっ、人形は人形であることを知らないって、ある意味可哀想になってくるね」
【我が主よ、笑いごとではないと思うぞ】
ショゴスの無謀なる野望を聞いた
残酷な偽神にして
ショゴスの創造者である
想造主は笑い
それをサタンは軽く窘める
それはショゴスの計画が
完膚無きまでに
打ち砕けることを
知っているからくる余裕
『【貴様ラ、何故笑ウノダ……!? 我ヲ嘲笑スルトハ許セン!! 想造主、貴様カラ喰ラッテヤル!!】』
想造主の哀れみを含んだ
嘲笑を受けたショゴスは
想造主を喰らうために
想造主へと飛びかかった
【我のことを抜かしてないか? 愚夢に捕らわれし人形よ】
しかしショゴスの攻撃は
サタンによって
防がれる
サタンがいつの間にか携えていた
竜を模した黄金の片手剣の腹によって
跳ね返したのだ
『【グヌヌ……マズハ貴様トイウコトカ……!! 我ガ力ニテ喰ラッテヤル!!】』
ショゴスは吠えると
自らの不定な身体を
泡立たせるように
触手を生やすように
ボコボコと膨らませ
姿を変え始めた
それは数多ある
災厄の中の災厄
自然の暴威
その敗者に相応しき姿
ドラゴンゾンビへと――。
ドラゴンゾンビにしたのは、某戦乙女が主役のゲームからです