第二話
目を開けた僕は、真っ先に自分のアバターを確認する。
このイレブン・アイ・オンラインはアバターがランダムのため初期アイテムに手鏡が用意されている。
そしてその手鏡を見た僕は愕然とした。
「な、何故男の娘なんだ・・・」
そう僕のアバターは男のはずなのにどこからどう見ても14歳ぐらいの美少女にしか見えない男の娘になっていたのだ。
このイレブン・アイ・オンラインでは公式仕様として男の娘のアバターになる事がある。
しかしその確率は0.00925%。
イレブン・アイ・オンラインの初期ロットが10000人分だという事を考えるとゲーム内に一人いるかいないかぐらいの確率だ。
僕はどうやら幸か不幸かその一人となってしまった様だ。
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ゲームを始めて10分が経過した。
その間僕はずっと自分のアバターが男の娘だと言う事にショックを受けて一歩も動けずにいた。
そして10分たった今ようやく気を取り直し右手でメニュー表示させてステータス画面を表示させた。
ステータス
名前 Yuu
性別 男
種族 ハーフエルフ
スキル 火属性魔法レベル1 雷属性魔法レベル1 回復魔法レベル1 鍛冶レベル1 製薬レベル1
精霊魔法レベルEX 精霊視認レベルEX 精霊契約レベルEX 空間の魔眼(右目)レベルEX 時の魔眼(左目)レベルEX
それを確認した時、目の前が真っ白になった。
次に気がつくと真っ白な空間に一人の羽を付けた少女と僕がいた。
「気が付きましたか?私はこの世界の神に仕える天使でございます」
話の内容と見た目からして天使と思われる少女はこの後こう続けた。
「貴方のスキルの異常さはイレブン・アイ・オンライン本来の仕様です。
そして私は貴方のサポートをする為に作られたサポートプログラム“白”です。
貴方のランダムで選ばれたスキルは全てユニークスキルとなっています」
天使はかなりの爆弾発言をしてきたようだ。
「それでその仕様の対象者は何人いるんだ?」
僕は今の話の中で一番気になっている事を聞いた。
「イレブン・アイ・オンラインですので11名を予定しています。
ほかに質問はありますか?」
どうやら11人もユニークスキルの使い手がいるらしい。
ほかに質問があるかどうかを聞いてきたので次の質問に移った。
「その11人の内ほかの10人の特徴は?」
その質問に対し天使はある意味予想道理の答えを返してきた。
「その質問には答えられませんが一つだけ答えるとすれば、全員魔眼を持っているという事です」
「その魔眼は全員二つなのか?」
そう問うと天使はなぜか少しあわてた様子で答えを返してきた。
「いえ違いますほかの方は全員一つです」
そして話を終えて帰る方法を聞こうとした僕に天使は驚くべき発言をした。
「一つお願いがあります。
このゲーム、イレブン・アイ・オンラインのラスボスになって頂けませんか?」
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