第1話 今、俺の願い事は
過去作品
「明日の君はもういない」の
サイドストーリーその1です。
コメディもシリアスも書くつもりでいます。
だいたい4年ほど前に書き上げましたがようやく出します。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
「け、結婚だあ!?」
そう言って目の前で、お義父さんとなる人が、せんべいを手から落とした。
その娘ーー米倉 サオリ 18歳ーーは珍しくしゅんと縮こまりながら、頷いた。
「はい、お父さん」
「そ、それにしたって今、コロナ禍だっていうのに、この男とお前はい……」
「いました」
サオリと俺は二人で口をそろえてそう言った。
お義父さんはダイニングテーブルの所で椅子に座り、俺たち二人はまだ春にしては冷たすぎる木の床に、並んで正座して座っている。普段正座なんてしないから、そろそろ俺は足が痛い。それを我慢しながら、俺は一気に言った。
「俺、鈴木、瞬、齢18は、この1年、サオリさんと真剣に付き合ってきました!! 何なら小学校の時から10年、片思いしてきました。俺は明日、警察官になるため警察学校に入ります。サオリさんも就職します。俺が今の道に進むきっかけは、サオリさんに頂きました。サオリさんがいなければ、俺はこの先進めません。だから言います!!」
ここで一回、言葉を切った。お義父さんやサオリに見えないように、俺はしびれた足を少し動かした。そのまま前かがみになり、床に手をつく。いわゆる土下座だ。俺がサオリに真剣であることを見せるには、これしかないと思った。なぜそうなったのか。ある場面を見られてしまったからだ。それは次回に言うとして。
「娘さんを、俺に、ください!!!」
「ください!!!」
ほとんど俺と同時にサオリのそう言う声がした。いや、くださいって言うのはこの場合サオリじゃないだろ、と突っ込みたくなったが、こらえた。
「しかしねえ……」
うーむ、とお義父さんは渋い声を出した。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




