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RE:TURN ― 風よ、赦せ

作者:TERU
最終エピソード掲載日:2025/12/25
恐竜は、最初から地球に存在しなかった。
それは人類がかつて作り出した――
骨格型AI兵器だった。

文明は何度も滅び、
人類は地下へ逃れ、記憶を失い、
同じ世界を、同じ過ちごと繰り返してきた。

灰が降り続く地上。
風を制御する塔〈ARC-01〉だけが、
世界の呼吸を、かろうじて繋いでいる。

ロッカ・ハイルド。
かつて兵士。
風に命令せず、祈りを“詩う”ことができた、最後の人間。

彼は信じていた。
祈り続ければ、人は救えると。

だが戦場で――
彼は祈りすぎた。

体温が下がり、判断が鈍り、
仲間の制止も届かないまま、
彼は禁じられた一線を越える。

風に、命令した。

その瞬間、世界は壊れた。

殺戮ミサイルが降り注ぎ、文明は崩壊。
ロッカは、
妻と息子を、
弟とその妻を、
すべて失った。

ただ一人、
弟に託された少女だけを抱えて、
彼は地下へ落ちた。

生きる意味を失い、
灰と暴風の底で沈み続ける男に、
少女は毎日問いかける。

「生きてる?」

千回を超えた問いの先で、
彼は初めて答える。

――「生きてる」と。

やがて訪れる凪の日。
塔を再起動できれば、
この終わりかけた世界を救えるかもしれない。

だがそのためには、
“もう一度、風に向き合う”必要がある。

祈りで世界を壊した男が、
祈りで世界を取り戻せるのか。

これは、
人間が人間であるための最後の記録。

帰るために、前へ。
『塔へ』
2025/12/25 22:11
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