最終話:どうやら私――――
王城から家に戻り、なんとなくエドのベッドに並んで座りました。
「いろいろあったな」
「……そう、ですね」
一時期は母と慕っていた人の死は、流石に衝撃ではありました。お父様はどんな罪に問われるのかは、義母の処罰から考えても同等程度にはなるのでしょう。
元夫の人たちは、わりとどうでもいいのですが、あの屋敷の使用人たちにはどうかまともな仕事場を紹介してほしいものです。
後日相談してみましょう。
だからいまは――――。
「エド、抱きしめてくださいませんか」
「ん。どうした?」
ギュッと力強く抱きしめてくれたエド。私が求めているものが分かっているかのような力加減でした。
「少しの間だけ、別れを悲しんでもいいでしょうか?」
「当たり前だ」
解放された喜びもあり、簡単に失われてしまった命への憐憫もあり、実の父親との別れにも少しだけ心が傷んで、涙がでてきました。
「悲しむことは悪いことではないんだよ。アレキサンドライトが気が済むまで泣いていい」
「はい――」
◇◇◇
「おはようございます、エド」
「ん、おはよう」
「パパー! はーやーくーおーきーてー! しーごーとー!」
「ん。もう起きてたから、上に乗るな。叫ぶな」
エドと暮らすようになっていつの間にか五年。二年目には息子を授かり、いまはやんちゃ盛りの三歳。
「しーごーとー!」
「はいはい。おっさんを労ってくれや」
とにかく叫びっ放しの息子を怒ることなく、いつもちょっと気怠そうに相手をしてくれています。息子はそれが楽しいのか、パパが大好きです。
「さて、今日も穏やかな未来のために働きますかねぇ」
「はたらくー!」
相変わらずエドはカフェ、私はレース編みをしています。
ただ時々だけ新国王の下で、穏やかな未来のための秘密のお仕事も。
……基本的には視察中に迷子になった国王陛下の捜索ですが。
「パパー、いくよー!」
「はいはい。店では叫ぶなよ?」
「はーい!」
「返事はいいんだよな、返事だけは」
あの様子だと静かにはしないとは思いますが、なんだかんだでお客さんたちにも可愛がられているので、息子はよくお店で楽しそうに店番をしています。
元夫の人に追い出されたあの日、エドのカフェを見付けてから、本当にいろんなことがありました。
どうやら私、エドの妻になる運命だったようです。
―― fin ――
最後までお付き合いというか、大変お待たせしましたー!
なんか久々に苦しんだ!
おつかれ! もっと頑張れぇい!
とかでいいので(いいのか?)ブクマや評価等していただけますと、なんか頑張れます(雑)
あ、新作短編出しましたん!!!!!





