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【書籍化決定】どうやら私、妻ではなかったようです  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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35/39

35:覚悟はあるのか?

 



 師匠さんが料理を運んできてくださったのですが、どれもこれも美味しくて頬が落ちそうだと言うと、エドが心の底から嬉しそうに微笑み頷きました。

 師匠さんは、エドにとってとても大切な人のようです。

 色々とあったエドに、剣の師匠さんや料理の師匠さんなど、親身になってくれる人がいてよかったなと思っていたせいか、口から「よかった」と漏れ出てしまいました。


「なにがよかったんだ?」

「えっ、あ……あの」

「どうした?」


 少し不安そうな表情で顔を覗き込まれて、耐えられずについ話してしまいました。


「ん……アレクサンドライトにもそういう人がいれば…………」

「ふふっ。それがエドですよ。そんなに悲しい顔をしないでください。それに、サブリナ様やキーラさんとも知り合えて、最近とても楽しいんです」

「そうか」


 とても簡素な返事でしたが、エドが少し顔を背けていたので、照れているのを誤魔化しているだけのようでした。

 そんなエドも好きですと伝えたいけれど、メイン料理を食べているいまじゃないわよね、と諦めました。


「美味しいですね」

「あぁ」


 メインのあとは、デザートが届けられました。そして、師匠さんが他の席からイスを持ってきて、対面で座っていた私とエドの間にドカリと腰を下ろしました。


「さて、説明してもらおうか?」


 鋭い目つきで睨まれてしまい、ビクリと身体が震えてしまいました。

 ここで尻込みしてはせっかくのチャンスが台無しです。


「私、アレキサンドライトと申します。エドさんとは真剣にお付き合いを――――」

「違う違う、あんたじゃなくてエドだよ」

「あ? アレキサンドライトが言ったろ。真剣だよ」

「ふうん? 父親はどうすんだい?」

「報告はもう入ってるから、なんかあったら接触してくるだろ」


 話に置いていかれ気味ですが、どうやら師匠さんはエドが誰なのかを知っているようです。

 そして、国王陛下に報告が入っていると聞いて、やっぱりかという気持ちと、そんなことも報告されてしまうのかという残念な気持ちも。

 仕方のないことなのでしょうが、いったいどこまで報告されてしまうのでしょうか?


「そうかい。それで、アレキサンドライトだったかい? あんたはエドの素性を知ってるんだろ? これからどうなるか考えてるのかい? 覚悟はあるのか?」


 ――――これから?


 これからどうなるのか。

 そんなことは私には分かりません。ただ、エドが好きで共にいたいというだけでは駄目なのでしょうか? 何があっても、二人で協力していければいいなと思っているし、エドが何かに困れば支えたいという思いもあります。


「王族のことは分かりません。貴族のこともいまいち分かってはいません。ですが、エドと共に生きる覚悟だけはあります」


 いまのところ、支えてもらってばかりですが。と付け加えると、師匠さんから「えらく肝が据わった嬢ちゃんだね」と言われました。

 そうですか? と首を傾げていると、エドが師匠さんがいない側に顔を向けていました。

 それを見た師匠さんがニヤリと笑い、エドの背中をバシンと叩きました。


「早く食いな! せっかくのデザートが生ぬるくなるよ」

「ばぁさんが邪魔したんだろが!」


 その後、エドと師匠さんが言い合いをして、本来の開店時間になってしまい、店を追い出されてしまいました。

 結局、師匠さんはなにを確認したかったのでしょうか。




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― 新着の感想 ―
先回と今回のお話読んでたら、『おいしい関係』のおばあちゃん師匠思い出しちゃった。
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