第9話「未来の話をしよう――君と生きるために」
◆ 高校・進路面談の日
担任「高槻、お前の進路希望、書いてないぞ。
将来どうしたいんだ?」
悠真「……俺、働いて……結婚したい人がいるんです」
担任「……へ?」
教室が一瞬、静まり返る。
担任「お前、まだ高校生だぞ!? 相手は……」
悠真「……大事な人なんです。年上で……俺にとって、たったひとりの“家族”で……」
もちろん、名前なんて言えない。
でも、それでも――本気だった。
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◆ その夜・家
悠真は帰宅後、進路面談の話を真希に伝えた。
悠真「俺、本気で真希と一緒に生きたいって、言った」
真希「……バカ」
小さく、でも強く、真希は言った。
「……あなたがまだ18歳で、私が40歳で。
世間が何て言うか、考えなかったの?」
「考えたよ。でも、それでも……一緒に居たいって思った」
その言葉に、真希は俯いた。
「……あなたの未来を、壊したくないのよ。
私は……あなたの母親にはなれないし、
恋人として、支えきれるかもわからない」
そして、静かに言う。
「別れましょう」
悠真「……やだ」
「ダメよ、あなたにはもっと普通の幸せがある」
「……俺にとって、“普通”の幸せは真希なんだよ」
けれど、真希は涙を堪えて微笑んだ。
「ごめんね、悠真」
そう言って、部屋を出て行った。
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◆ 雨の夜
家を飛び出した悠真は、
冷たい雨の中、真希を探した。
駅前の公園で、ベンチに座って泣いている彼女を見つける。
悠真「……何で、逃げるんだよ」
真希「……あなたには、もっと良い人がいるから」
悠真は、迷わずその場で抱きしめた。
「いないよ。
俺には、真希しかいない」
そして、涙混じりにキスをする。
冷たい雨の中でも、
ふたりだけが、あたたかかった。
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◆ ふたりの答え
帰り道、びしょ濡れになりながら
ふたりは静かに歩く。
真希「……これから、どうなるか分からないわよ?」
悠真「分からなくてもいい。俺は、そばにいたい」
真希「……ほんと、バカ」
そう言って、優しくキスを重ねる。
――未来はまだ遠いけど、
ふたりの心は、今、確かに繋がっていた。
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