表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン5《社会人5年目&家族拡大 第二子妊娠・出産に家族の試練と再生編》
83/83

第10話「2人で育てよう」



それは、静かな朝だった。


双子の出産から数週間が経ち、春日井家にもようやく“日常”が戻ってきた。

育児と仕事、夜泣きとミルク、洗濯物の山とお風呂の順番――

どれもが完璧とは言えない。それでも、互いに歩幅を合わせながら、彼らは前に進んでいた。


そして、真希の職場復帰初日。

社内ではサプライズのように、ふたりの机の上にカードが並んでいた。


「おかえりなさい、春日井課長」

「双子ちゃん、ご出産おめでとうございます!」

「未来ちゃんと莉嘉ちゃん、可愛い名前ですね」

「また一緒にお仕事できるの嬉しいです」

「そして結翔くん、お兄ちゃん頑張ってるって聞きました!」

「高槻、よくやったな。うちの部署の父親代表だ」


――差出人は、進藤あかり、赤井美波、村瀬翼、瀬川陽翔、橘理沙副社長、そして氷室結衣社長。

彼女たちが見守ってくれていたことが、胸にしみた。


「……泣いちゃダメね。アイライナー取れるわ」


「それ俺の前で言う? 可愛いけど」


「静かに。ここ社内」


「誰もいないけど?」


ふたりは、周囲に気配がないことを確認すると――

そっと資料室の奥で身体を寄せ合った。


「……んっ……悠真……」


小さく洩れる声。

息を交わすような深いキス。


短くないブランクを経て、また“職場のふたり”に戻ったけれど。

心のどこかには、今も確かに“夫婦としてのふたり”が息づいていた。


その日の夕方、ふたりは社内で別々に退勤する。

真希は保育園へ結翔を迎えに、

悠真はそのまま1時間だけ残業。


スーパーで悠真が買った野菜とお肉は、帰宅した真希が慣れた手つきでフライパンに乗せた。

結翔はテレビのバラエティ番組に釘付けで、未来と莉嘉はリビングのマットの上でご機嫌な表情。


「……にぎやかだね」


「うるさい、の間違いじゃなくて?」


「うるさくて、しあわせって意味」


そんな他愛ない会話に、真希はふっと笑った。


夕飯を食べ終え、風呂を済ませ、子どもたちが順番に眠りについた夜。

寝室の灯りが落ちた後――


「……真希さん」


「ん……?」


悠真が、そっと彼女の肩を抱く。

真希はその腕に身体を預け、微笑んだ。


「……ねえ、もう……いいかな」


「なにが?」


「もう、子どもは……ここまでで。

 結翔と、未来と、莉嘉――この三人を、ふたりでちゃんと育てていこう」


「……うん」


答えを待たずに、真希の唇が重ねられる。

甘く、長く、確かめ合うようなキスだった。


夜の静けさに包まれたベッドで、

ふたりは互いの呼吸を感じながら、身体を重ねていく。


繋がる指。

擦れ合う肌。

甘い吐息と、途切れ途切れの言葉。


「……っ、悠真……」


何度も確かめるように、ふたりは交わり、ひとつになった。

それは、欲望でも、衝動でもない。

“約束”のような、静かな愛のかたちだった。


深く、深く、絡み合った後――

真希は彼の胸に顔を埋めて、囁くように言った。


「これからも…… “2人で” 育てていこうね」


「もちろん」


小さく笑った悠真が、再び唇を重ねた。


そして、翌朝。


キッチンに立つ悠真と、隣で娘たちに哺乳瓶を準備する真希。

絵本を手に「読んでー!」とせがむ結翔。


冷蔵庫には、結翔が描いた家族5人の絵が貼られていた。

パパとママ。

自分と、小さなふたりの妹たち。

――その絵には、大きな文字でこう書かれていた。


『ずっといっしょの、わがや』


今日も、明日も、きっとこの先も。

彼らは“ふたりで育てる”という選択を、愛情のかたちとして重ねていく。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ